和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

花は美し、されど猛毒 トリカブト、和歌山の高地で咲く

かわいい薄紫色の花を咲かせたカワチブシ(和歌山県紀南地方の山中で)
かわいい薄紫色の花を咲かせたカワチブシ(和歌山県紀南地方の山中で)
 強い毒を持つことで知られるトリカブトの一種カワチブシ(河内附子)が、和歌山県紀南地方の山中で薄紫色の美しい花を咲かせている。涼しい林床を好み、県内では限られた高地でしか見られない。

 紀南の自生地では、80センチ前後の高さのものが、山の斜面に数十株点在している。県のレッドデータブックで絶滅危惧2類に分類されている。和名は金剛山(河内と大和の国境)で最初に発見されたことに由来するという。

 トリカブトは植物全体に毒があり、特に根の部分が強い。厚生労働省のホームページによると、誤って食べると、口唇や舌のしびれに始まり、次第に手足のしびれ、嘔吐(おうと)、下痢などを起こし、けいれんや呼吸不全に至って死ぬ場合があるという。