和歌山県紀南地方の湿地で、小形の食虫植物ホザキノミミカキグサ（タヌキモ科）が紫色の小さな花を咲かせている。県の絶滅危惧１Ｂ類に分類されている。

　水ゴケや湿った土などで地下茎を伸ばす。地下茎に１ミリほどの小さな袋状のわなを持っている。ミジンコのような小さな動物が近づくと弁が開いて袋が広がり、それを吸い込んで弁が閉じる。

　花茎は高さ３０センチほどになり、その先端に５ミリ足らずの小さな花を数個つける。仮面部には黄色の模様があり、距（きょ）と呼ばれるとがった部位が前方に突き出ているのが特徴。

　近年は生育する湿地環境が激減しており、見かける機会が少なくなっている。