和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

釣った魚、さばきます 釣りでまちおこし、和歌山・串本町で加工サービスの店続々

闘龍丸水産の加工場。シーズンごとにさまざまな魚が持ち込まれる(和歌山県串本町田並で)
闘龍丸水産の加工場。シーズンごとにさまざまな魚が持ち込まれる(和歌山県串本町田並で)
SABAKIをPRする吉田ひかるさん(和歌山県串本町串本で)
SABAKIをPRする吉田ひかるさん(和歌山県串本町串本で)
矢倉鮮魚店をPRする矢倉梨乃さん(和歌山県串本町串本で)
矢倉鮮魚店をPRする矢倉梨乃さん(和歌山県串本町串本で)
和歌山県内釣り客数トップ5
和歌山県内釣り客数トップ5
 釣った魚、さばきます―。釣りでのまちおこしに取り組む和歌山県串本町で、持ち込まれた魚の下処理を引き受ける店が増えている。内臓を取ったり、三枚おろしにしたりといったサービスがある。釣った魚を手軽に持ち帰れるとして、釣り客の人気を集めている。


 串本町は潮岬を境に、西に亜熱帯、東に温帯と性質の異なる海が共存している。魚の種類が豊富で、多くの釣り人を引き付けている。県の観光動態調査によると、旧串本町の2022年の観光客総数は約155万人で、うち釣り目的が約16万7千人を占めた。

■客のニーズに対応 SABAKI

 魚加工「SABAKI」(串本)は5月1日に開業したばかり。運営会社「隼」は遊漁船を営んでいる。代表の吉田ひかるさん(34)は「『せっかく釣れたのに、持ち帰るのが大変』という声を聞いていた。サービスを始めたところ、口コミで広まった」と話す。

 持ち込まれるのは小さな魚から大物まで。50キロ級のキハダマグロもあった。真空パック処理もできるため、持ち帰ってそのまま近所に配ることもできる。加工品の販売もしている。

 営業は午前10時半~午後5時(最終受け付け)。不定休。電話0735・67・7703。

■漁師自ら加工 闘龍丸水産

 闘龍丸水産(田並)は3年前に開業。漁師で遊漁船を営む荒堀貴弘さん(39)が加工を担当する。開業以前から大阪の飲食店などに加工した魚を送っていたが、コロナ禍で利用が減少。遊漁船の客を相手にサービスを始めたところ好評で、一般にも広げた。

 「釣り客により狙いはさまざま。シーズンによっても多様な魚が持ち込まれ楽しい」と仕事の幅が広がった。4月からは鮮魚店も始めた。

 営業は加工が午前8時半~午後4時(最終受け付け)。不定休。鮮魚店は午前10時半~午後6時。火曜定休。電話080・8516・2866。

■商店街で地元も利用 矢倉鮮魚店

 商店街にある矢倉鮮魚店(串本)は「町の魚屋さん」として販売をメインにしながら、加工サービスにも力を入れる。店主の矢倉梨乃さん(31)が鮮魚店勤務の経験を生かして4月に開業した。

 加工サービスは渡船や餌店で紹介された釣り客の利用が多いほか、「魚をもらったけどさばけない」という地元客の利用もある。「小さな魚でも家で加工処理するのは大変。気軽に利用してほしい」と呼びかけている。

 営業は午前10時~午後6時半(加工受け付けは午後5時まで)。土曜定休(変更の場合あり)。電話090・6974・4600。