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2024年11月17日(日)

コロナ、盆明けで患者増警戒 5類移行3カ月「重症化リスク高い人に配慮を」、和歌山

田辺保健所管内の新型コロナ報告数
田辺保健所管内の新型コロナ報告数
 新型コロナウイルスが感染症法上の5類になって3カ月が過ぎた。感染者は依然多い。和歌山県の田辺保健所管内(田辺市とみなべ、白浜、上富田、すさみの4町)では過去3年、盆明けに患者が増加する傾向がある。形部裕昭所長は「感染はやむを得ないが、重症化リスクの高い人への配慮が必要」と呼びかけている。


 田辺保健所管内の定点当たりの患者報告数は、7月3~9日の週まで10人を下回っていた。ピークは7月10~16日の週で17・57人。その後、減少傾向にあるものの、8月7~13日でも13・43人いる。さらに「この週はすでにお盆休みに入っている医療機関がある。実際の数値はもっと多いはず」と指摘する。

 管内の確保病床の使用率は厚生労働省が住民に注意喚起する目安に挙げた50%を超えている。5類に移行しても、ウイルス自体の病原性が弱まったわけではない。感染者が増えれば、重症化する人の割合も増える。医療機関の逼迫(ひっぱく)にもつながる。

 形部所長は「人の移動に伴って、感染者が増えるのは仕方ない。ゼロにはならない。感染すると重症化する恐れが高い高齢者などへの二次感染を防ぐことが重要。感染防止にマスクの着用、換気が有効なのは変わらない」と強調する。

 「誰もが感染する可能性がある。個人では検査キットや解熱鎮痛剤を準備しておくとよい。独居高齢者は、発熱などの体調不良があった時に連絡先をつくっておいてほしい。友人や離れて暮らす家族、ケアマネジャーなどと普段からつながりを強めてほしい。地域で見守る体制があればコロナに限らず、防災にも役立つ」と話す。

 秋にはワクチン接種が始まる。春は65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人が対象だったが、65歳未満の健常者も対象になる。「効果を疑問視する人もいるが、感染や重症化の可能性を減らせる」と接種を勧めている。