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2024年11月25日(月)

【動画】「聖地」への橋復旧 豪雨被害から1年、和歌山の世界遺産・熊野本宮大社

熊野本宮大社の旧社地・大斎原へと続く潜水橋が完成し、渡り初めをする関係者(10日、和歌山県田辺市本宮町で)
熊野本宮大社の旧社地・大斎原へと続く潜水橋が完成し、渡り初めをする関係者(10日、和歌山県田辺市本宮町で)
 昨年夏の豪雨で壊れ、復旧工事が行われていた和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」につながる潜水橋(延長約30メートル、幅約3メートル)が完成した。本宮大社が10日に渡り初め式を開き、関係者が完成を祝った。

 潜水橋は大斎原と国道168号沿いにある「札の辻」を結ぶために音無川に架かっており、市土木課によると、昭和40年代に市町村合併前の旧本宮町が整備。大斎原を訪れる多くの参拝者が利用し、例大祭でも使われてきたが、昨年8月14日の豪雨で橋脚が損傷し、人が歩く床板がくの字型に折れるなどの被害を受け、通行できなくなった。

 市は参拝者が増える年末年始の対策として昨年12月15日からいったん盛り土による仮設道路を設けた上で今年2月末に撤去し、その後、新しい潜水橋を架ける復旧工事に取り組んでいた。総事業費は6188万3800円。

 この日は田辺市議会の尾花功議長や林誠一副市長、神社関係者ら約50人が参列して潜水橋を渡り初め。九鬼家隆宮司(66)は「以前の橋と比べて強靱(きょうじん)な印象で、関係者の皆さまに感謝申し上げたい。来年は世界遺産登録20周年を迎えるので、一人でも多くの方にこの橋を渡ってよみがえりの地を訪れていただきたい」と話していた。