和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月29日(日)

コロナ前の90%に回復 南紀のスポーツ合宿、和歌山

合宿に際し、東京サントリーサンゴリアスの選手を歓迎する奥田誠町長(中央)=昨年10月、和歌山県上富田町で
合宿に際し、東京サントリーサンゴリアスの選手を歓迎する奥田誠町長(中央)=昨年10月、和歌山県上富田町で
 和歌山県の田辺市と周辺7町、県などで構成する南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会は、2022年度の県外からのスポーツ合宿について、7万7733人を受け入れたと発表した。前年度に比べて43%多く、新型コロナウイルスの感染が広まる前の90%まで回復した。23年度はコロナ後を見据えて誘致を強化するという。


 18日に田辺市朝日ケ丘の西牟婁総合庁舎で総会があり、協議会を構成する田辺、印南、みなべ、白浜、上富田、すさみ、串本、那智勝浦の8市町と事務局の県西牟婁振興局の担当者が参加した。

 22年度のスポーツ合宿の受け入れは、田辺市で3万184人(前年度比39・1%増)、上富田町で2万5216人(同29・7%増)など、各市町で軒並み増えた。22年4月から協議会に加わった那智勝浦町は2592人、印南町は412人。コロナによるキャンセルは1万1316人あった。

 競技別では野球、サッカー、ラグビーの順に多かった。主な合宿や大会は、サッカーJ3松本山雅FCの合宿(1月、串本町)、龍神植田杯争奪高校生バレーボール大会(5月、田辺市と白浜町)、全日本大学女子硬式野球選手権(8月、田辺市と上富田町)、ラグビーリーグワン・東京サントリーサンゴリアスの合宿(10~11月、上富田町)。

 18年度は協議会が発足して最多の8万6627人を受け入れたが、その後はコロナ禍の影響でキャンセルが相次いでいた。

 23年度は旅行会社やスポーツ団体、大学への誘致を進め、東海圏やビーチスポーツへのPRを強化する。新規の合宿団体に対する宿泊費の一部助成や、スポーツ大会を開催する団体に対する助成金の交付にも取り組む。受け入れ目標は23年度で9万人、24年度で9万5千人。

 18日の総会では役員改選があり、新会長に熊野雅仁・田辺市教育委員会スポーツ振興課長が就任した。任期は2年。役員らからは「合宿の予約がいっぱいでも、他の市町に団体を紹介するなど広域に取り組んで」「(施設の利用について)地元の利用者とバランスを取り、合宿チームと子どもらの交流の機会をできるだけ設けてほしい」などの声があった。