和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

スポーツチームと豆生産 みなべの事業所が耕作放棄地活用

ムクナ豆を収穫する和歌山トライアンズの選手(和歌山県紀の川市で)=和歌山トライアンズ提供
ムクナ豆を収穫する和歌山トライアンズの選手(和歌山県紀の川市で)=和歌山トライアンズ提供
 梅干し製品の製造・販売などを手がける「紀州ほそ川」(和歌山県みなべ町)は、バスケットボールチーム「和歌山トライアンズ」やサッカークラブ「南紀オレンジサンライズFC」と、耕作放棄地を活用してパーキンソン症状を改善する効果などが期待できる成分を含む「ムクナ豆(八升豆)」を栽培する取り組みを始めた。


 ムクナ豆はインド原産のつる性マメ科の植物。体内でドーパミンに変わる成分「Lドーパ」などを含む。同社は2008年から栽培を始め、大学と連携した食品の開発、販売をしている。

 生育旺盛で高温乾燥や病害にも強いことから、初心者や高齢者でも栽培しやすく、紀南地方でも有志グループが栽培するなど、少しずつ広がっている。

 ムクナ豆の需要はさらに増えることを見込み、利用されなくなった農地を農家から借り受け、連携するスポーツチームの選手が栽培、収穫する取り組みを始めた。収益をチームの活動費につなげる狙いもある。

 昨年5月から、和歌山トライアンズが和歌山市や紀の川市の約20アールで栽培に取り組み始めている。南紀オレンジサンライズでも現在、栽培する農地を調整中で、貸してもらえる農地も募集している。

 紀州ほそ川の細川達矢社長は「耕作放棄地を活用し、豊かな農村にしたいという思いが強い。また、ムクナ豆を通じて健康寿命を延ばすことに貢献していきたい」と話している。

 同社はこの取り組みに賛同し、貸してもらえる耕作放棄となった農地を募集している。連絡は紀州ほそ川(0739・74・2739)へ。

 一方で、グループ会社の紀州ほそ川創薬がこのほど、ムクナ豆についての認知拡大のため、総合情報サイト「ムクナ豆とは?」(https://mucuna.online/)を開設した。海外の論文や国内の最新情報などを紹介している。