和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

3年ぶりのUME―1盛況 グルメ甲子園は綾羽が初優勝

グルメ甲子園では料理を求める来場者で長蛇の列ができた(12日、和歌山県みなべ町清川で)
グルメ甲子園では料理を求める来場者で長蛇の列ができた(12日、和歌山県みなべ町清川で)
「揚げたい焼き」を作って販売する神島高校の生徒
「揚げたい焼き」を作って販売する神島高校の生徒
グルメ甲子園で優勝した綾羽高校のチーム「梅小町」
グルメ甲子園で優勝した綾羽高校のチーム「梅小町」
ダンスコンテストで優勝した熊野高校の「SPOP」
ダンスコンテストで優勝した熊野高校の「SPOP」
的を狙いパチンコで種を飛ばす子ども
的を狙いパチンコで種を飛ばす子ども
 梅の里・和歌山県みなべ町の祭典「UME―1フェスタin梅の里みなべ」(町など主催)が12日、同町清川の元清川中学校であり、高校生の梅料理コンテスト「第7回グルメ甲子園」では、綾羽高校(滋賀県草津市)のチームが初優勝した。県勢では神島高校(田辺市)のチームが3位に入った。


 コロナ禍により3年ぶりの開催。グルメ甲子園では、48チームのうち予選を突破した10チーム(県内4、県外6)が、梅を使った創作料理を作って販売した。地元、南部高校の女子生徒3人組「3S」は焼き餅「梅入り3種の梅ケ枝餅」、神島高校の「商品開発プロジェクト『神島屋』」は名物のマダイと南高梅が味わえる「うめぇ!揚げたい焼き~めちゃ梅パウダーVer・~」を提供した。各チーム50~300食を用意。長蛇の列ができて早々に売り切れるところもあるほど、盛況となった。

 ホテル&リゾーツ和歌山みなべ(みなべ町山内)の総括料理長、上野和成さんら10人が味やアイデア、接客などで審査し、売れ行きも考慮して各賞を選んだ。

 表彰式で審査委員長の上野さんは「3年ぶりとは思えない活気あるコンテストになった。審査は年々厳しくなってきていると思うが、限られたルールの中で頑張り、素晴らしい料理ができている。感動させられる。自信を持ってこれからの道に進んでもらいたい」と講評。了解が得られれば、アイデアを生かした料理をホテルで出したいとも語った。

 優勝した綾羽高校のチームは女子生徒4人組の「梅小町」で、梅のペーストが入ったクラムチャウダー「梅チャウダー」を提供。受賞に「混乱して言葉がでない」と驚いていた。

 3位の神島高校のチームは「1位を取れずに残念だが、頑張ったかいがあった」と入賞を喜んだ。入賞はならなかったが、南部高校の伊積蒼さんは「決勝までこれただけでもうれしい。自分たちの中では優勝だと思っている」と話した。

 2位は福知山淑徳高校(京都府福知山市)のチーム「こはな」、敢闘賞は香住高校(兵庫県香美町)のチーム「ハルハル探偵団」だった。

■ステージ盛り上がる

 特設ステージでは、さまざまな催しがあった。

 町出身のシンガー・ソングライター川島ケイジさんによるライブから始まり、高校生9人によるカラオケコンテストがあった。関奈々子さん(神島高校1年)が優勝し、2位は和田峻太郎君(田辺高校3年)、3位は辻田雫さん(神島高校2年)だった。

 ダンスコンテストでは、熊野高校のKumanoサポーターズリーダー部員でつくる「SPOP」が優勝。「練習通り楽しく踊れたのがよかった」と喜んだ。

 思ったことを発表する「叫べ!みんなの主張」もあり、「UME―1最高。射的楽しかった」「将来の夢。牧場で働きたい」「トップアイドル目指します」などと思い思いに叫び、観客を沸かせた。

 物産展や軽トラ市もあり、地域の物産や手作りの飲食物などが並び、にぎわっていた。

■前夜に高校生交流

 11日夜には、同町埴田の国民宿舎紀州路みなべで、グルメ甲子園に出場した高校生の交流会があった。チームや提供する料理を紹介したほか、各校混成で班をつくって料理を考えるなどのゲームを楽しみ、親睦を深めた。

 フェスタ実行委員会の楠谷和弘委員長は「12日は夢のようにいい天気に恵まれた。みんなの熱い思いが伝わったからだと思う。昨日からの2日間、いい交流ができて、いい経験になった。これを今後に生かしたい」とイベントを振り返った。

■946人が挑戦 梅の種射的

 UME―1フェスタでは、新企画の「やにこい!梅の種射的」もあり、家族連れらでにぎわった。子どもを中心に延べ946人が挑戦した。

 梅の枝で作ったパチンコなどの道具を使って梅の種を飛ばす射的で、町商工会青年部が企画した。子どもらは、青年部が作って用意した道具かワークショップで自作した道具で、的を狙って撃った。種は勢いよく飛ぶが、方向がなかなか定まらずに苦労していた。

 子どもらは的に当たると大喜び。1射目で「1」の的に当て、現金1万円をもらったみなべ町晩稲、園児の生田誠志郎君(5)は「最初に当たってびっくりした。好きなゲームソフトを買いたい」と喜んでいた。

 ワークショップでは、ネーチャークラフトの楽しみ方などを伝える団体「南風舎」(和歌山市)のメンバーが講師を務め、「自然の物を使って作るので、どうしても癖が出る。それをうまく使いこなすといった、キットでは味わえない面白さがある」などと言って作り方を指導した。

 子どもらは用意された梅の枝を使って、Y字のパチンコ型やI字の鉄砲型といったオリジナルの道具を夢中になって作っていた。