和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

観光筏作り進む 和歌山県北山村で冬の仕込み

筏に使う丸太が並ぶ制作現場(和歌山県北山村で)
筏に使う丸太が並ぶ制作現場(和歌山県北山村で)
 和歌山県北山村で、観光筏(いかだ)作りが進んでいる。スギやヒノキの丸太約220本を使って、長さ約30メートル、幅約2メートルの筏を4隻作る。作業は3月下旬まで続く。

 村内を流れる北山川では5~9月、村が観光筏を運航する。筏の製作は、村が出資する株式会社「北山振興」が担っており、毎年10月に原木を発注し、翌春までに4隻を仕上げる。

 電車に例えると、筏1隻は7両編成。1両につき8本の丸太を使う。実際に運航する際は、立ち乗りする客がつかむ手すりなどを取り付ける。

 丸太の皮むきから、丸太同士の隙間をなくすための作業、クレーンでつり上げる際に使うフック取り付けなど多数の工程があり、全てが手作業。どの丸太を何本目に配置するかも、一本一本の特徴を見て決めている。

 筏作りに携わるようになって10年以上という筏師の番家誠さん(39)は「この時季にしかない作業なので、その日やることは毎朝、しっかり確認してから取り組んでいる」と話す。

 新しい筏が観光に使われるのは翌年。1年間は乾燥させる期間という。毎年4隻ずつ新調し、3年間使った分を更新する。

 村観光協会によると、昨年は6千人超が利用した。