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2024年12月23日(月)

チーム減り60年の歴史に幕 田辺市の少女キックボール大会

白熱した戦いを見せる万呂―芳養の選手(和歌山県田辺市芳養松原2丁目で)
白熱した戦いを見せる万呂―芳養の選手(和歌山県田辺市芳養松原2丁目で)
 和歌山県田辺市で多くの女子児童が熱戦を繰り広げてきた少女キックベースボール大会が、60年余りの歴史に幕を下ろした。かつては20チーム以上が出場していたが、5日にあった最後の大会は芳養と万呂の2チームのみ。来年度は部員不足で芳養のみとなるため、両チームとも今季で活動を終える。


 市教育委員会によると、市内の少女キック大会は1960年ごろ、市子どもクラブ育成協議会が主催して始まった。野球と似たルールで、1チーム12人でプレーする。芳養小の児童で構成する芳養キックベースボールクラブで現在まで40年近く監督を務める永井清次さん(69)によると、20年ほど前は市内の各小学校に1、2チーム、全体では20チームほどあったという。しかし、少子化やスポーツの多様化などで競技人口が少なくなった。 

 2021年までは市内に3チームあり、田辺キックベースボール協会が主催して各種大会(公式戦)があった。チーム数の減少に伴って協会は22年になくなったが、芳養と主に会津小学校区の児童で構成する万呂キックベースボールクラブの2チームが独自で定例大会を開いてきた。

 最後の大会は、芳養小学校(田辺市芳養松原2丁目)グラウンドであった。メンバーは芳養が13人、万呂は12人ちょうどだった。

 午前の部と午後の部で各2試合あり、午前の部は芳養が、午後の部は万呂が優勝した。会場には小学校時代にキックベースボールを経験した保護者もおり、子どもたちの好プレーに拍手を送っていた。

 永井さんは「競技を通して学んだことをこれからの生活に生かしてほしい。子どもたちとも最後までやりきろうと約束していたので、無事にできて良かった」と話した。

 万呂の監督、霍川幸徳さん(57)は「キックベースがなくなってしまうのは残念。でも、子どもたちとのつながりができてうれしい」と語った。