和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

ネットで正しい情報を 南部高1年生が探究学習

インターネットで情報を探す方法について教わる生徒たち(和歌山県みなべ町芝で)
インターネットで情報を探す方法について教わる生徒たち(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町芝、南部高校は「総合的な探究の時間」(探究学習)の1年生のテーマに「和歌山の活性化」を設定し、学習を進めている。その一環としてこのほど、紀伊民報マルチメディア事業部の長瀬稚春事業部長を講師に招き、インターネットで正しい情報を探す方法などについて学んだ。

 探究学習は、生徒が実社会や自分と関わりのあることから課題を設定して、関連する情報を集めて分析し、解決する方法を自分たちで考える。その際に、地域との連携も重視する。

 同校ではこれまで、梅の生産量やパンダの飼育数が全国一であること、熊野古道や高野山といったユネスコ世界遺産があることなど地域の魅力を出し合い、その一方で人口が減少し続けていることや若者の県外流出など、課題について話し合ってきた。

 そうした課題を解決し、活気ある地域にするにはどうすればいいかを班ごとに考えるに当たって、この日はネットで情報収集する際の注意点や、地域紙である紀伊民報で情報を集める方法として電子版の利用の仕方などを学んだ。

 長瀬部長は新聞社や行政機関などの信頼できる情報を活用するよう説明。一方、インスタグラムやティックトックなどの交流サイト(SNS)や個人のブログなどは「不確かな情報が含まれている場合もある」として注意を呼びかけた。また、いずれの情報も、著作権を尊重するよう話した。

 その後、生徒は官公庁が公開している統計データや紀伊民報の電子版で情報収集をした。

 上富田町とスポーツについて調べていた山田康将君は「スポーツ合宿を積極的に受け入れていることが分かった。自分自身が楽しめたり、活躍する姿を人に見てもらったりすることがスポーツの良さだと思う。そうした良さを生かして町を元気にする方法を考えたい」と話していた。

 紀伊民報は昨年12月、全国の地方新聞社がデジタルを活用したビジネスのアイデアを競うコンテスト(実行委員会主催)で優秀賞を受賞。本年度から、探究学習の教材として電子版の記事を提供するとともに、学習成果をウェブページに公開する仕組みを構築している。南部高校はそのモデル校になっている。