和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

高品質の花届けます スターチスやトルコギキョウ出荷

ハウス内でスターチスの栽培管理や収穫作業に追われる農家(和歌山県田辺市芳養町で)
ハウス内でスターチスの栽培管理や収穫作業に追われる農家(和歌山県田辺市芳養町で)
ハウス内に咲き誇るピンク色などの華やかなトルコギキョウ(和歌山県上富田町岡で)
ハウス内に咲き誇るピンク色などの華やかなトルコギキョウ(和歌山県上富田町岡で)
 和歌山県のJA紀南管内で、スターチスやトルコギキョウが出荷シーズンを迎えた。燃料費や資材費が高騰する状況下、農家は夜間に一定温度以下になるとハウス内で暖房を入れるなどし、高品質の花の生産に励んでいる。JAは農家から集めた花を関東や関西などの市場に出荷している。JA産直店でも販売している。

 スターチスは田辺市の芳養町や中芳養、上秋津、秋津の各地区のほか、白浜町の富田、串本町の14戸の農家が計1・5ヘクタールで栽培している。10月中旬から翌年の6月中旬ごろまでが出荷時期で、年末と3月の彼岸が大きな需要期。今季は例年並みの150万本を市場出荷する計画。

 田辺市芳養町の森本浩司さん(49)はスターチスの専作農家。計1ヘクタールのハウスで、「紀州ファインイエロー」「紀州ファインパール」「サンデーバイオレット」など約20品種を栽培している。今季は定植時期の暑さや少雨の影響で生育が遅れ気味という。

 森本さんは「いろいろな花の色があるので、テーブルに飾るなどして使っていただければ」と話す。



 トルコギキョウは上富田や富田、串本地域の農家14戸が計約2ヘクタールのハウスで栽培。出荷時期は10月中旬から翌年7月上旬ごろまでで、大きな需要期は年末と3月に迎える。

 昨季は約65万本を出荷。今季は75万本を目標にしている。これまでのところ、暖かい日が続いたことから、生育、出荷が前倒しになっているという。

 上富田町岡の岡本和也さん(33)は梅を主に生産する農家で、10アールのハウスで「レイナホワイト」や「マキアピンク」など7品種くらいのトルコギキョウを栽培している。

 岡本さんは「トルコギキョウは花の華やかさが魅力。栽培指針はあるが、環境や品種特性も異なるので、よく観察して育てるようにしている。他の生産者と協力して作っていきたい」と話している。