和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

132日ぶり車の迂回路開通 みなべ町高野、土砂崩れの県道

完成した県道たかの金屋線の迂回路。左手の斜面が崩れている(29日、和歌山県みなべ町高野で)
完成した県道たかの金屋線の迂回路。左手の斜面が崩れている(29日、和歌山県みなべ町高野で)
 和歌山県みなべ町高野で、土砂崩れにより通行止めとなっている県道たかの金屋線に迂回(うかい)路ができ、29日朝から通れるようになった。車が通行できるようになったのは132日ぶりで、地元住民らは喜んでいる。


 7月20日に県道沿いの斜面が延長約40メートル、高さ約40メートルにわたって崩れ、幅員約5メートルの県道をふさいだ。すぐに地元住民や県が歩行者用の迂回路を整備したが、車や単車は通行できずに不便を強いられていたことから、県が車も通れる迂回路の整備を8月22日から始めた。樹木を伐採し、田畑や植林地を埋め立て、川を渡るために2カ所で土を盛った。

 完成した迂回路は、県道から対岸に渡り、再び県道に戻るルートで延長176メートル、幅4メートル。信号規制で、片側相互通行となっている。

 川が増水すると通行が危険になる可能性があるため、大雨警報や洪水警報が発令されれば通行止めにすることを検討するという。

 迂回路が完成したことに伴い、町教育委員会が行っていた公用車を使っての小学生や園児の送迎は終了した。

 本復旧までは長期を要する見通しで、県は現在、地滑りの範囲や深さなどを確認するための調査や観測を続けている。その結果で対策のための工法を決める。県日高振興局建設部は「早急な復旧を目指し、取り組んでいる」としている。

 地元の70代男性は「足をけがしていたので、歩いての迂回はつらかった。他の人も荷物を提げて歩くとなれば大変だったと思うので、思ったより早くできて良かった」、高野区長の大串哲也さん(54)は「こんなに早く迂回路ができるとは思っていなかったので、ありがたい。本復旧については、地滑りの状態が続いているので、かなり先になることを覚悟しなければならないと思っている」と話している。