「知事選の投票率」
知事選の投票日が迫ってきた。現職が引退し、16年ぶりに新しい知事が誕生する選挙である▼3人の候補者はそれぞれ和歌山の魅力を伸ばし、発展させる主張を繰り広げているが、選挙区が県全域に広がっているせいか、コロナ禍の選挙とあってか、盛り上がりが分かりづらい。投票率が気になる▼知事選の投票率は、50年ほど前までは80%前後。しかし、次第に下がり始め、2004年以降は5回中4回が30%台。有権者の6割以上が棄権している状態。特に若年層の投票率が極端に低い。前回の知事選でも50~70代は50%以上だったが、18~19歳や20代は20%台だった▼県選挙管理委員会は若者向けの啓発ポスターや動画を作り、投票を呼びかけている。告示前には高校に出向き、選挙の意義を伝え、模擬投票所で生徒に投票体験してもらうなどの出前講座を開いた。新宮市などは投票箱を積んだ車が地域を回る「移動期日前投票所」を開設している▼県政のリーダーを決める重要な選挙である。若い人たちの投票行動を促すためにも、身近な大人が手本となりたい▼新たな顔ぶれがそろった今回の選挙を、家族らと暮らしの課題を話し合う機会にしたい。県政に参画するつもりで投票しよう。(河)