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2024年12月22日(日)

「諦めなければ夢かなう」 日本一の剣士が子どもら指導

参加者と稽古する末永真理さん(右)=1日、和歌山県白浜町日置で
参加者と稽古する末永真理さん(右)=1日、和歌山県白浜町日置で
 9月にあった剣道の全日本女子選手権大会で9大会ぶり3回目の優勝を果たした末永真理さん(33)が1日、和歌山県白浜町日置で、地元の日置剣友会が主催する稽古会に参加し、子どもらを指導した。

 末永さんは大阪府警在職時、2012年と13年の全日本女子選手権で連覇。府警を退職後、夫の将太さん(34)が運営する白浜町市鹿野の障害者就労支援施設を手伝っている。県剣道連盟田辺支部に所属する剣士として市鹿野を拠点に活動し、再び日本一になった。

 稽古会は日置小学校体育館であり、末永さんの全日本選手権優勝を祝う横断幕が掲げられた。白浜町、上富田町、田辺市で剣道をしている小中学生約40人と、その指導者らが参加した。

 末永さんは、参加者と一対一の「地稽古」をこなした。約1時間半で子どもから大人まで50人ほどを相手した後、「昨年、大阪府警を退職して稽古量が半分以下になったが、常に日本一になるという目標を持って取り組み、諦めなければ夢はかなうことを体現できた。皆さんも目標をつくって頑張ってほしい」と呼びかけた。

 白浜町富田中学校3年生で、日置剣友会の佐々木聖君(15)は「本当に強くて、自分もまた頑張ろうという気持ちが芽生えた」、同会で日置中3年の大内桜綺さん(14)は「振りや動きが速かった。言われたことを卒業するまでに直し、高校に入っても継続してやっていきたい」と目を輝かせた。

 日置剣友会指導者の清水敏招さん(54)は「日本一になる人はやっぱり違う。稽古していただいて本当によかった。児童数や生徒数の減少で剣道人口が減っている地域にとって、カンフル剤のような集まりになったと思う」と話している。