和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

人とまちを元気に 和歌山市の団体が「新しい学校」構想発表

設立を目指す学校の構想を説明する仙石恭子代表(左奥)=田辺市湊で
設立を目指す学校の構想を説明する仙石恭子代表(左奥)=田辺市湊で
 県内に探究型の小中学校設立を目指す和歌山市の団体「ワカヤマスコラボ」(仙石恭子代表)がこのほど、田辺市内で構想を発表した。目標は「人とまちを元気にする学校」。グローバル(世界)とローカル(地方)の視野を持つリーダーを育成したいという。


 都市部では進学一辺倒の教育に違和感を持つ人が多く、「スコラボ」の調査では首都圏の保護者の47%が「教育移住の可能性がある」と回答した。

 仙石代表は保護者には「子どもは田舎や自然の中で伸び伸びと育てたい」「進学のためでなく、グローバル社会で生きていく力を身に付けてほしい」というニーズが大きいという。

 新しい学校では「探究力」「関係力」「創造力」を重視。学習者主体に思考を深めることを、教師がサポート。学習者同士が協同で学び、フィールドワークを大切にし、社会に開かれた学びを具体化したいという。

 カリキュラムには、理科と社会の独立した授業がなく、年間六つのプロジェクト学習の中で横断的に学ぶ。問題が起こったら自分たちで解決する「こども全校会議」があるほか、「食」の学びなどを取り入れることを考えている。

 将来的には学校食堂を地元にも開放。保育園や探究型の学童保育所、子育てのワークショップなども展開したいという。

 仙石代表は「今はまだ夢の構想。でも、もし必要と思ってもらえるなら、田辺市でならきっと実現できる」と協力を呼びかけた。

みかん教室で学ぼう
16日、田辺

 ワカヤマスコラボは16日午後1時~5時、親子で共に学び、探究を深めるワークショップ「みかん教室」を田辺市上秋津の秋津野ガルテンと近隣のミカン畑で開く。紀南アートウイーク実行委員会と合同企画。

 「みかん教室」では、当日発表する「お題」を元に、近隣のミカン畑でフィールドワーク後、大人と子どもに分かれ、それぞれのチームで意見を出し合って研究をまとめ、最後に発表し合う。

 対象は小学生と保護者。大人だけの参加もできる。参加費は子ども500円、大人千円。定員20人。筆記用具の用意と動きやすい服装での参加を呼びかけている。

 申し込み、問い合わせは仙石代表(kyoko.sengoku@w-scholab.jp)へ。紀南アートウイークホームページのイベント紹介ページからも申し込める。