和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

予約制バス乗ってみて 上富田町で試験運行へ

デマンド型コミュニティバスの試験運行に使用する車両(和歌山県上富田町朝来で)
デマンド型コミュニティバスの試験運行に使用する車両(和歌山県上富田町朝来で)
 和歌山県上富田町は10月から、予約制の乗り合いバス「デマンド型コミュニティバス」の試験運行を始める。乗り降りしたいポイントを選び、希望する時間の便を予約して利用する仕組みで、期間中は運賃が無料。10月3日から予約を受け付ける。利用者から意見を集めて課題を洗い出し、来年4月の本格運行を目指す。


 町では現在、定時定路線型のコミュニティバスを運行している。バス停は約80カ所。ピンク色の中型バス(36人乗り)が地区間をつなぐ「本線コース」、月曜と木曜、火曜と金曜には白色のミニバス(14人乗り)が細かな道の「支線コース」を運行。買い物や病院に出かける高齢者、通学する小学生らが主に利用している。

 ただ、利用者数は近年減少を続けている。2018年度まで年間4万人を超えていたが、21年度には約2万3千人に減少。これまで大幅なダイヤ改正をするなど利便性の向上に努めてきたが「乗り継ぎが不便」「バス停が遠い」「希望の時間の便がない」などの意見も多かったという。

 そこで、従来のコミュニティバスに加えて、予約型のデマンドバスを導入することを決定。205カ所の乗降ポイントを設定し、30分ごとに運行時間を設けた。利用者の希望にできるだけ合わせた時刻とルートでバスを運行できるようになるという。

 試験運行では、町内全域の医療機関や商業施設、集会所、公共施設などのほか、田辺市の南和歌山医療センターと紀南病院で乗り降りできる。バスは午前8時~午後4時の間、30分ごとに計14便を運行。予約に応じ、利用者それぞれの乗降ポイントを巡る。期間中、従来のコミュニティバスも通常通り運行する。

 期間は、10月5日~11月30日。1人でも予約が入れば運行するが予約のない便は運行しない。ミニバス1台での乗り合いバスとなっているため、到着が遅れたり、状況によって予約が埋まったりする場合もあるという。

 予約は、バスを運行する「明光バス」(白浜町)の専用受付センター(0739・33・2078)で午前9時~午後6時に受け付ける。予約の際は、氏名や利用する日時と便、乗りたい場所と降りたい場所、利用人数、連絡先を伝えればよい。

 午前の7便は前日まで、午後の7便は当日の運行時刻の2時間前までに予約が必要。毎回経由するポイントによって最適なルートを選んで走るため、時間にゆとりを持って予約してもらい、キャンセルする場合は必ず事前に連絡するよう求めている。

 町振興課の担当者は「試験運行期間中は、事前の登録はなく料金もかからない。ぜひ多くの方に利用してもらい、より良い公共交通の整備に向けてご意見を頂けたら」と話している。

 運行時間などの詳細は、町ホームページ(http://www.town.kamitonda.lg.jp/)で紹介しているほか、町振興課の窓口でもチラシを配布している。