和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

人材確保厳しい夏 田辺で合同企業説明会

企業から熱心な説明を受けるUターンフェア来場者(12日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
企業から熱心な説明を受けるUターンフェア来場者(12日、和歌山県田辺市文里2丁目で)
 紀南合同企業説明会「Uターンフェアin田辺」(実行委員会主催)が12日、和歌山県田辺市文里2丁目のガーデンホテルハナヨアリーナであった。出展企業・求人数は昨年より増加し、高い採用意欲をうかがわせたが、来場者数は減少。人材確保の厳しい現状が浮き彫りになった。

 Uターンフェアは盆の帰省時期に合わせ、毎年開催している。長引く新型コロナウイルス禍の中でも、今年は昨年より10社多い50社から、202人の求人があった。一方、来場者は昨年より17人減って56人。新卒の割合は3割で、昨年の4割から減少した。

 出展企業によると「今年は都市部で企業の採用活動が活発になり、新卒の確保が厳しい」という。そのため、待つだけでなく、来場者に積極的に声をかけ、ブースに誘う企業もあった。

 田辺市の流通会社の担当者は「来場が少なく、面談数も少ない。最近は県外からの応募も出てきたが、地元でもいい出会いをつくりたい」と懸命にアピールしていた。同じく田辺市の製造会社の担当者は「面談数が少ない中でもいい人材がいた」と感触を語った。

 求職者にとってもさまざまな企業が一堂に集う機会は貴重。田辺市の専門学校生女性(28)は「観光分野に関心があるけれど、他業種の話も積極的に聞いている。知らなかったことが多く、地元にも選択肢があると実感した」、上富田町の会社員男性(37)は「年齢的にギリギリと感じての活動だが、興味ある複数の企業の話が聞けた」と話した。

 実行委は「フェアの来場者は減少傾向だが、内定につながる割合は高い。今年もここからの展開に期待したい」と話している。