和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

帰省や旅行どうする? 新型コロナ、感染拡大3度目の夏

新型コロナの無料検査を待つ列(8日、和歌山県田辺市湊で)
新型コロナの無料検査を待つ列(8日、和歌山県田辺市湊で)
 新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが止まらず、盆の帰省シーズンに影を落としている。久しぶりに友人に会ったり、祖父母や両親に元気な姿を見せる機会をどうするか。和歌山県紀南地方出身者の中にも悩んでいる人は少なくない。


 上富田町出身で、小学2年生と4歳の娘がいる東京都在住の主婦(38)は「子どもが小さいうちに、おじいちゃんおばあちゃんと過ごす時間をたくさんつくってあげたい」と帰省を検討している。ただ、周囲でも感染者が増えており、帰省してよいかどうか不安を感じている。

 同じく上富田町出身で大阪府在住の専門学校生女性(22)も「帰省するか迷っている。大阪は感染者が多いので、迷惑をかけることになったらと考えると怖くなる。家族は『帰っておいで』と言ってくれている。帰省する場合はPCR検査を受けたい」と話す。

 一方、田辺市出身で東京都在住の公務員男性(28)は「仕事の都合で、各県に出張しているのに『帰省だけ自粛』とはならない。移動の制限もされていない」と早々に帰省を決めた。

 田辺市出身で大阪府在住の大学生男性(20)も「2週間ほど帰省する。これまでもたびたび帰省している。マスクを着用するなど基本的な対策をすればいい」と話している。

 迎える側も思いはさまざま。3人の子どもが県外でそれぞれ独立している上富田町の自営業男性(66)は「『帰ってくるな』とは言っていない。お年寄りや小さい子が家にいれば話は別だが、人混みへ行かなければ特に問題はないのではないか」と話す。

 京都の大学に通っている長女が盆に合わせて帰ってくる予定という白浜町の公務員男性(45)は「抗原検査キットを用意している」と苦笑しつつ「感染してしまうと家族以外の誰かに迷惑をかけてしまう。長女にはずっと家の中でいてもらうつもり」と話した。

 県では帰省や旅行の自粛は求めていない。旅行や高齢者との面会で陰性証明が必要な場合や感染が不安な場合は、新型コロナの無料検査の利用を呼びかけている。検査拠点は8日現在、107カ所ある。

 県新型コロナ感染症対策本部によると、1日の利用は7月上旬に100~200件だったのが、感染拡大を受け最近は千件ほど。「お盆休み前はもちろん、休み明けも感染の不安などで利用する人が増えるのではないか」とみている。