和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

「世界に推薦」を審査へ 南紀熊野ジオパークに調査員

南紀熊野ジオパークの見どころの一つフェニックス褶曲(和歌山県すさみ町で)
南紀熊野ジオパークの見どころの一つフェニックス褶曲(和歌山県すさみ町で)
 和歌山県紀南地方の9市町村と奈良県十津川村にある地質遺産などで構成する「南紀熊野ジオパーク」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界ジオパーク」に推薦するかどうか審査するため、「日本ジオパーク委員会」の調査員が7日から3日間の日程で、現地調査に訪れる。


 「南紀熊野ジオパーク」は「フェニックス褶曲(しゅうきょく)」(すさみ町)や「橋杭岩」(串本町)、「古座川の一枚岩」(古座川町)、「那智の滝」(那智勝浦町)など107カ所で、2014年8月に「日本ジオパーク」に認定された。

 南紀熊野ジオパークの教育活動や学術研究などに取り組んできた県や紀南の市町村、関係団体などでつくる「南紀熊野ジオパーク推進協議会」(会長=仁坂吉伸知事)は今年4月、「世界ジオパーク」に推薦してもらおうと「日本ジオパーク委員会」に申請書を提出。5月には委員会にプレゼンテーションをした。

 現地調査には、委員会から委員長の中田節也・東京大学名誉教授ら3人の調査員が訪れ、主な地質遺産を訪れるほか、北山村のいかだ下りを体験したり、串本町のジオパークセンターを視察したりする。概要は仁坂会長が上富田町で説明。同町の熊野高校の生徒も自分たちの活動を紹介する。

 地質遺産などが国際的に重要なものかや、地域社会と連携し住民の文化的帰属意識を保全する管理運営ができているかなどを審査する。4年に1度の「日本ジオパーク」の再認定の審査も兼ねる。

 国内推薦の可否は9月ごろに決まる。推薦することになれば、委員会が来年秋にユネスコに申請。ユネスコの現地調査などを経て、早ければ25年に認定か否かが決まる見込み。

 県ジオパーク推進室は「世界ジオパーク認定は、南紀熊野ジオパークを世界に知ってもらう絶好の機会。これまでの取り組みが認められるようにアピールしたい」としている。

 国内に日本ジオパークは46地域あり、うち9地域が「世界ジオパーク」に認定されている。