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2024年11月22日(金)

第五福竜丸建造75年 串本で「平和の歴史展」

第五福竜丸の建造の歴史などを紹介しているパネル展(2日、和歌山県串本町串本で)
第五福竜丸の建造の歴史などを紹介しているパネル展(2日、和歌山県串本町串本で)
 和歌山県串本町串本の町文化センターで2日から、同町(旧古座町)で建造され、太平洋のマーシャル諸島にあるビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で被ばくした第五福竜丸が今年、建造から75年の節目を迎えたことに合わせた「平和の歴史展」のパネル展示が始まった。7日には講演などの記念イベントも予定している。

 町や住民団体でつくる「第五福竜丸建造の地平和の歴史展実行委員会」(西野政和実行委員長)の主催。町文化センター2階では約100枚のパネルを展示し、第五福竜丸が建造された歴史や写真といった資料のほか、広島平和記念資料館(広島市)が地元の高校生らと取り組んでいる被爆体験を聞いて描いた絵なども展示。時間は午前9時~午後5時。

 7日午後1時からは同センターで「平和のつどい」を開催。地元の音楽グループによる歌と演奏、高知県などの被ばく漁民らの写真集「NO NUKES ビキニの海は忘れない」を発行し、2019年に日本自費出版文化賞の大賞を受賞した平和資料館(高知市)の岡村啓佐・副館長の講演、岡村副館長と西野実行委員長の対談を予定している。

 第五福竜丸は、古座川の中州にあった古座造船所で建造された全長29メートル、幅6メートルの木造船で、カツオ漁船第七事代丸として1947年に進水。マグロ漁船に改造され、53年5月に母港を静岡県焼津市とする第五福竜丸となった。54年3月1日、ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験で「死の灰」を浴びた乗組員23人が被ばくし、無線長の久保山愛吉さんが同年9月に死去。原水爆禁止の国民的な運動が起こった。

 問い合わせは町教育委員会(0735・67・7260)へ。