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2024年11月26日(火)

乗舟1万人を突破 白浜の熊野古道「安居の渡し」

雨の中、日置川を川舟で渡る大阪国際中学校の生徒(14日、和歌山県白浜町安居で)
雨の中、日置川を川舟で渡る大阪国際中学校の生徒(14日、和歌山県白浜町安居で)
 和歌山県白浜町安居にある世界遺産・熊野古道大辺路「安居の渡し」の利用客が14日、1万人を突破した。1万人目となった大阪国際中学校(大阪府守口市)の生徒には、特製の木札と地元産の米とみそが記念品として贈られた。


 大辺路の富田坂と仏坂の間にある日置川を川舟で渡る安居の渡し。かつては旅人のほか、住民も利用していた。1950年ごろから利用者が減り、途絶えていたが、地元有志が「安居の渡し保存会」を結成し、2005年10月に復活させた。現在は、月平均約200人の客を乗せている。

 大阪国際中1年生は毎年、教育旅行で同町を訪れている。今年は94人が訪れ、雨の中、かっぱとライフジャケットを着て、川舟に乗り込んでいた。

 乗船前に1万人突破のセレモニーがあり、9999人目と1万1人目の生徒には、保存会がみそと梅干しを記念品として贈った。セレモニーがあることを知らされていなかった生徒たちは、驚いていた。

 保存会の廣井清吾代表(82)は「1万人を達成して記念行事ができればうれしいと思ってやってきた。次の若い世代に保存会を引き継いでもらい、2万人、3万人と達成していってもらいたい」と期待した。

 保存会は、川舟3隻を所有しており、1隻に8人ほどを乗せて運航している。川幅は約50メートルで、運航時間は約5分。予約制で料金は保険代を含めて1人500円。利用客には、ヒノキ製の「乗船手形」を配布している。