和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

【詳報】感染609人、第7波拡大期に 12日、和歌山県会見

和歌山県内新規感染者数と療養者数
和歌山県内新規感染者数と療養者数
 和歌山県内の新型コロナウイルス感染者が急増し、県が12日に発表した人数は、過去最多となった。県福祉保健部の野尻孝子技監は「第7波(6月21日から)の拡大期にあり、過去最多の更新は続く可能性がある。適切な行動や感染対策をしてほしい」と求めた。

 新規感染者数は前週の同じ曜日より330人増加。過去最多は2月2日の597人だったが、160日ぶりに更新した。保健所管内別では田辺と新宮、御坊で過去最多となった。

 15日前の6月27日は70人だったが、28日から100人台が続き、7月6日からは300~400人台を推移。12日は前日から248人増えた。

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は前日より35・7人多い305・5人で、22日連続で増加した。300人を超えたのは2月19日以来143日ぶり。保健所管内では御坊(423・8人)、和歌山市(409・5人)で400人を超えた。

 クラスターの発表も1日当たりで過去最多となる7件。新たに認定したのは、田辺管内のこども園(感染者16人)、新宮管内の運動クラブ(7人)、御坊管内の小学校2校(9人・12人)、障害者支援施設(9人)、飲食店(8人)、和歌山市の小学校(9人)。

 入院者は246人で、病床511床の使用率は48・1%。自宅や宿泊施設での療養者は2307人。

 感染者急増の要因について、野尻技監は、主流だったオミクロン株の「BA・2」から、より感染力が強いとされる「BA・5」に置き換わりが進んでいることや「気の緩み」を挙げた。

■国基準の重症者はなし
 入院者のうち、集中治療室で治療を受けるなど国の基準で重症となっている患者はゼロ。酸素投与が必要な県基準では60~90代の13人。12日発表の感染者の中には、いずれもいなかった。野尻技監は「地域で感染が爆発すれば、身体が弱い人に及び、重症者が増えたり、死者が出たりする可能性がある」として注意を呼びかけた。

■インフルにも注意
 さらに、新型コロナの流行後、ほとんど見られなかったインフルエンザの感染者が、通常の流行期(秋~春)でないにもかかわらず、複数の保健所管内で確認されているという。野尻技監は「新型コロナとインフルエンザの流行が重なれば、医療機能が保てない状況が考えられる」と注意を呼びかけた。

■新型コロナ新規感染者数(12日、県発表分)
609人
〔保健所管内別の内訳〕
和歌山市326 海南37 岩出42 橋本42
湯浅15 御坊54 田辺45 新宮40 県外8