和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

2022参院選 和歌山選挙区/コロナ、物価高、子育て支援/有権者の求めるものは

 参院選が公示された22日、県内でも現職や新顔の計5人の候補が街頭に繰り出すなどして、第一声を上げた。長引く新型コロナウイルス禍や原油高・物価高、安全保障対策など課題が山積する中、有権者は政治に何を求め、どんな選択を考えているのか。まちの声を聞いた。


 真っ先に挙がるのがコロナ対策だ。田辺市湊の小売業女性(71)は「どんなコロナ対策を打ち出すか注視している。多額の予算を投入してきたが、有効な解決策はないし、将来への負担が増したという不安もある。そうした疑問に答えてほしい。若い人も関心を持ちやすい問題で、投票に行って意思を示してほしい」と期待する。

 東京から移住し、ゲストハウスを始めて5年余りという田辺市中辺路町の男性(46)も「以前は客層の9割超が熊野古道を訪れる外国人だったが、激減した。コロナで若者の未来が奪われた面もある。だからこそ、若者の意見が反映できる世の中になってほしい」と社会の変化を求める。

 物価高でダブルパンチとの指摘も多い。みなべ町のサービス業男性(31)は「収益は減っている。給付金、補助金は本当に欲しいところに届いていないのではないか。予算の配分をもっと見直してほしい」、上富田町の会社員男性(35)は「賃金は上がらないのに、物価が上がっていく。中小企業の支援に力を入れてくれる人を選びたい」と窮状を訴える。

 社会問題をより身近に感じている人は、世代を問わず選挙への関心が高い。

 田辺市中万呂の会社員女性(25)は「子育て支援に力を入れてほしい。私は独身だが、姉や友人に小さい子どもがいて、生活が大変という話をよく聞く。私も将来が不安。もっと若い人の声を聞いてほしい。子どもを育てていける希望を示してくれる人、党に投票したい」と力を込めた。

 白浜町のホテルに勤務する上富田町の男性(62)は「コロナ禍からやっと光が見えてきた。俯瞰(ふかん)するだけでなく、より地元に密着し、一体となって地域活性化に取り組んでくれるような人を選びたい。どれだけ私たちの話を聞いてくれるかじっくり見極めたい」と話した。

 一方、コロナやウクライナ情勢に関心があっても、投票行動には結びつかないという人もいる。田辺市南新万のアルバイト女性(22)は「正直誰に入れても何かが良くなる気はしない」と話し、投票には行かないつもりだ。