和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

地元で勝利し和歌山県4強へ 社会人のサンライズFC

前半に得点を決め、駆け出す角田虎太郎選手(上富田スポーツセンターで)
前半に得点を決め、駆け出す角田虎太郎選手(上富田スポーツセンターで)
 和歌山県社会人サッカー連盟杯選手権大会(県サッカー協会主催)は19日、上富田町朝来の上富田スポーツセンターで準々決勝があり、田辺市とその周辺で活動する南紀オレンジサンライズFCが紀北地方のFC LUDIQUE(ルディック)に1―0で勝ち、ベスト4へ進出した。


 サンライズFCは前半、DF竹川のロングパスに右サイドから抜け出したFW角田が合わせてゴールを決めた。GK澤村、DFの石川や殿垣、MF古賀らが懸命に守って無失点に抑えた。

 今季から県社会人3部リーグに参入。5月にあった全国社会人サッカー選手権大会では、1回戦で県1部のルディックに1―2で敗れており、雪辱を果たした。

 準決勝は26日に橋本市運動公園であり、サンライズFCは午前11時からの第1試合で和歌山紀北蹴球団(県1部)と対戦する。優勝チームは、全国クラブチームサッカー選手権関西大会に出場できる。

 地元での試合とあって、サンライズFCの選手たちが働いている企業や農家の関係者らが応援した。DF水本龍之介選手(22)が働くデイサービス施設を利用している前田健次さん(76)=田辺市天神崎=は「地元での試合なので初めて見に来た。水本選手は仕事も頑張っていて、応援している。勝ったのでうれしい」と喜んだ。


■貴重なゴール 角田虎太郎選手

 どちらのチームに流れが傾いてもおかしくなかった0―0の前半34分。南紀オレンジサンライズFCの角田虎太郎選手(19)が先制のゴールを決めた。その1点をチーム全員で守り切り、5月の大会で負けていた相手に雪辱。ベスト4進出を決めた。

 試合後、角田選手は「地元での大事な試合で、チームのために活躍できてよかった」と、ほっとした様子だった。

 裏への飛び出しや精度の高いクロスボールを武器に、右サイドバックや右フォワードで出場している。この日も果敢に相手の守備の裏を狙った。得点の場面では、後方からのロングパスにしっかり合わせ、得点力が課題のチームに勢いをつけた。

 宮城県出身。8歳の時に東日本大震災で被災したが、慰問に訪れたサッカー選手に憧れてプロを目指した。北海道の高校を卒業し、コロナ禍もあって社会人チームでプレーすることを希望。地域貢献を目指すサンライズFCの取り組みに興味を持った。

 チームの中では最年少。選手寮で生活しながら、みなべ町の食品会社で梅干しの加工などの仕事をしている。「仕事とサッカーの両立に理解をしてもらっている」と感謝。サッカーでも上を目指しているといい「これからも得点やアシストでチームに貢献したい」と、謙虚に言った。