和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

ライブ動画で販路拡大 田辺市の鮮魚店で実験

ライブコマースの配信画面。左側にはリアルタイムでコメントが表示される
ライブコマースの配信画面。左側にはリアルタイムでコメントが表示される
 オンラインの動画で商品を販売する「ライブコマース」の実証実験が、和歌山県田辺市上秋津の「はつやま鮮魚店」であった。約30分のライブ配信で干物やウツボの鍋セットを紹介したところ、100人以上が視聴。関東を中心に続々と注文が入った。今後、市内の他の事業者も配信に参加する予定。

 企画したのは、総合広告会社「スコープ」(東京都)。首都圏にある企業の社員と田辺市内の事業所が協力し、地域課題を解決するビジネスに挑む研修に、スコープの社員が参加したのがきっかけで実現した。

 ライブ配信型オンラインストア「目利き市場」を通じ、自宅にいながら各地の魅力ある食材を購入してもらう仕組み。地域と関わり続ける関係人口づくりにつなげる狙いがある。ライブコマースはアジアで広がっているが、日本ではまだ利用が少なく、今後伸びる可能性があるという。

 実証実験では、鮮魚店の初山徹さんと和歌山放送ラジオのリポーター山下博美さんが、掛け合いをしながら商品を紹介。オンライン上では「ウツボ」「どうやって食べるの」など驚きや質問が次々飛び出し、視聴者が「いいね」を伝えるハートマークが画面上に飛び交った。

 初山さんは「話すのは苦手で苦労したが、反応は良かった。ほとんどの注文が関東から。オンラインでないと出会えないお客さんばかりで、可能性のある取り組みだと感じた」と話した。スコープの担当者も「予想以上の反響。コロナ禍で苦境の市場や飲食店にも広げたい」と手応えを感じた様子だった。

 ライブ配信の内容は、28日まで「目利き市場」ホームページ(https://www.mekikiichiba.com/)から視聴できる。購入も可能。