和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

楽しく田辺とつながろう 関係人口マップ作成、“任務”達成でお礼

〓 「わたしと田辺の関係マップ」
〓 「わたしと田辺の関係マップ」
地域の人々とさまざまな体験を楽しむ「たなコト」4期生(田辺市上秋津で)
地域の人々とさまざまな体験を楽しむ「たなコト」4期生(田辺市上秋津で)
 田辺市の関係人口講座「たなコトアカデミー」の4期生が「観光」ならぬ「関係」マップを作成した。地域課題の解決に取り組む人々と出会って「任務」に挑戦し、達成できれば「お礼」がもらえる仕組み。都市部の住民に、楽しみながら田辺とのつながりを深めてもらう狙いがある。

 関係人口とは、定住していないが多様な形で地域に関わる存在。2018年度にスタートした「たなコト」の修了生は首都圏を中心に、1~4期で計57人いる。田辺の農産物を東京のマルシェで販売したり、田辺の魅力を発信するメディアを作ったりしてきた。今後は経済的なつながりをより強めたいという。

 「わたしと田辺の関係マップ」(A6判、22ページ)には、農家や料理人、酒店など地域で活動する9人・組が登場。それぞれが抱える地域課題をもとに「任務」を与える。

 例えばかんきつ類と梅を栽培する田辺市上秋津の農家、野久保太一郎さんからの「任務」は、1日以上農作業を体験し、その様子を交流サイト(SNS)で発信すること。達成すれば収穫したかんきつ類や梅がもらえる。

 同市高雄2丁目の酒問屋「堀忠商店」に勤務する堀将和さんからの「任務」は、開発した日本酒を飲食街「味光路」で味わい、その様子をSNSで発信すること。達成すれば記念品か酒店の仕事体験が選べる。

 マップは歴代の修了生や田辺とつながりたい希望者に配布する。

 最近、都市部に住みながら副業で地方に関わる「ふるさと副業」が注目されている。働く側は技術や経験を生かして地域貢献でき、地方は人材が確保できる。

 関係人口づくりを担当する市たなべ営業室は「マップは田辺に足を運んでもらうきっかけづくり。たなコトの修了生は業種もさまざまで、スキルも高い。体験を通じ、地域の課題を自分ごととして感じてもらうことで『ふるさと副業』につながればいい」と期待している。