和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

熊楠の生き方探る 田辺市で研究者ら3人語る

南方熊楠について語る(左から)大神慶子さん、増井真那さん、土永知子さん=和歌山県田辺市湊で
南方熊楠について語る(左から)大神慶子さん、増井真那さん、土永知子さん=和歌山県田辺市湊で
 世界的な博物学者、南方熊楠の生き方に学ぶトークライブ「これからの時代をどう生きる?~熊楠の生き方から探る」(南紀みらい主催)がこのほど、和歌山県田辺市湊の「田辺エンプラス」であった。3人の研究者らが熊楠について語り、約30人が聞き入った。


 登壇したのは、市内の和菓子店で販売している「南方熊楠っまんじゅう」の商品開発とパッケージデザインを担当したデザイナーの大神慶子さん(山口県)、大神さんがパッケージデザインを制作する過程で参考にした文献「世界は変形菌でいっぱいだ」の著者で慶応大学生の増井真那さん(東京都)、南方熊楠顕彰館学術研究員の土永知子さん(田辺市)の3人。

 土永さんは、熊楠は「アウトサイダー」だったが、一人では何もできない人間で、常に協力者がいたと説明。熊野古道が世界遺産に登録されたのは、熊野の自然を守った「熊楠の恩恵」と紹介した。

 大神さんは「熊楠はこの研究が何かの役に立つとか、お金がもうかるからではなく、楽しいから研究していた」と述べ、「やってみたいという思いをサポートできる世の中になれば、もっと豊かな世界になる」と話した。

 増井さんは「熊楠のすごいところは、好きなことをするために真剣に考え、行動したところ」と述べ、「科学は一人で大きなことは解き明かせない。他の人の協力が必要」と語った。