和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

2階の窓は桜の額縁 交流拠点改装し貸し出し

窓から見える桜を楽しんでもらおうと改装した地域交流拠点の2階(27日、和歌山県古座川町佐田で)
窓から見える桜を楽しんでもらおうと改装した地域交流拠点の2階(27日、和歌山県古座川町佐田で)
夏目商店で開かれている「七川のおもひで写真展」(27日、和歌山県古座川町佐田で)
夏目商店で開かれている「七川のおもひで写真展」(27日、和歌山県古座川町佐田で)
 和歌山県古座川町七川地域の活性化に取り組んでいる「七川ふるさとづくり協議会」が同町佐田に設けている地域交流拠点「夏目商店・カフェ」の2階に、花見が楽しめる絶景スポットが誕生した。自分たちで床を張るなどして改装し、期間限定で貸し出し中。七川ダム湖畔のソメイヨシノは見頃を迎えており、協議会は「この場所で桜と共に大事な方とのひとときを楽しんで」と呼び掛けている。

 夏目商店は国道371号沿いにある木造2階建ての元雑貨店で、協議会が1階をカフェや事務所などとして利用。今回改装した2階のスペースは傷んでいた畳を取り外した後は特に利用していなかったが、窓から国道沿いに植えられたソメイヨシノやダム湖がよく見えることにメンバーが感動。「せっかくなのですてきな空間にしたい」と、自分たちで改装することを計画したという。

 昨年夏に耐震性などについて建築士に相談した上で、材料を準備するなどして今年1月から改装作業をスタート。協議会で活動している町地域おこし協力隊の3人のほか、地域住民も4人ほど手伝ってくれ、町内の製材所から購入したヒノキ材を床に張ったり、手作りした照明器具を取り付けたりした。ふすまや障子も自分たちで張り替えるなどし、広さ6畳の「キツツキの間」と4畳半の2部屋がつながった「ウグイスの間」が、今月中旬に完成した。

 2階の活用を提案した町地域おこし協力隊の谷井麻美さん(35)は「去年の春にこの場所から桜を見て感動した。その思いを多くの人に味わってもらいたいと改装に取り組んだが、皆さんのご協力で、思い描いていた以上の空間になった。この場所で特別な時間を楽しんでいただけたらうれしい」と話している。

 このスペースは、桜のシーズンに合わせ、26日から貸し出しを始めた。

 料金は1時間千円。平日は午前9時半~午後4時(最長2時間まで)で、土日曜については午前10時からと11時半から、午後1時から、2時半からの1時間としており、基本的に事前の予約が必要。弁当を持参したり、夏目カフェで購入したものを食べたりできるが、酒類は持ち込めない。

 協議会によると、約3千本あるとされる七川ダム湖畔のソメイヨシノは28日午前9時現在、すでに満開に近い木もあるが、七分咲き程度のものが多い。「天気にもよるが、週の半ばには全体的に満開になり、次の土日曜ぐらいまでが見頃なのでは」と話している。

■「七川のおもひで」 写真展を開催

 協議会では施設1階にある改装した一画で「七川のおもひで写真展」を開いている。4月17日までの予定。

 会場には、明治や昭和などに七川地域で撮影された催しや風景、人物などの写真約100枚を展示。鑑賞していた町内の女性(77)は「花見で訪れたが、ちょうど見頃で良かったし、懐かしい雰囲気の写真も見ることができて楽しかった」と話していた。

 問い合わせは、七川ふるさとづくり協議会(0735・70・0686)へ。