和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

田辺西バイパス全線開通 利便性や防災面に期待

関係者によるテープカットや、くす玉開きが行われた(20日、和歌山県田辺市芳養町で)
関係者によるテープカットや、くす玉開きが行われた(20日、和歌山県田辺市芳養町で)
 和歌山県田辺市の稲成町と芳養町を結ぶ国道42号田辺西バイパス(総延長3・8キロ)が20日、全線開通した。整備中だった芳養町清地路―大屋間(1・6キロ)が開通し、全線がつながった。20日に大屋交差点で記念式典があり、関係者約100人が、開通を祝った。

 国土交通省近畿地方整備局によると、田辺西バイパスの全線開通は、国道42号の交通混雑の緩和や交通安全の確保につながる。さらにバイパスと並行する国道42号(5・6キロ)の約7割の区間が、東南海・南海地震で津波浸水の想定域に含まれているため、被災時の迂回(うかい)路や避難路としての機能も期待しているという。

 事業化から25年を経ての開通。式典で仁坂吉伸知事は「災害時に復興・復旧の道として役立つ」、真砂充敏田辺市長は「田辺インターチェンジへのアクセスが向上する」、地元選出の二階俊博衆院議員は「全国の皆さんに紀南に来てもらい、ふるさとの良さを感じてもらうチャンス」とそれぞれ期待を述べた。

 また、地元の南部幼稚園や芳養小学校、田辺市消防本部からのビデオメッセージの披露もあり「(バイパスを通って)早くいろんな所に行きたい」「交通量の緩和によって、安全な通学ができる」「迅速な救命活動ができる」と喜びの声が響いた。

 関係者によるテープカットやくす玉開きなどで開通を祝った。