和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

高速道路、紀伊半島一周へ 串本太地道路で起工式

串本太地道路の起工式で万歳三唱する出席者(和歌山県那智勝浦町天満で)
串本太地道路の起工式で万歳三唱する出席者(和歌山県那智勝浦町天満で)
高速道路
高速道路
 紀伊半島一周を目指している高速道路の一部で、和歌山県の串本町と那智勝浦町を結ぶ「串本太地道路」(延長18・4キロ)の起工式が25日、那智勝浦町天満の町体育文化会館であった。今月中旬から太地インターチェンジ(仮称)の建設予定地で工事に着手したことを受けて開催。整備を進める国は同道路の開通時期について「未定」としているが、関係自治体の首長や議員ら約200人が出席して一日も早い完成を誓い合った。


 紀南河川国道事務所によると、串本太地道路は串本町くじの川と那智勝浦町八尺鏡野を結ぶ自動車専用道路で、2018年度に事業化。21のトンネルと19の橋を造る計画で、災害時の交通確保、救急医療や観光面での効果が期待されている。用地買収は今年3月末現在、面積ベースで39%。総事業費は約900億円を見込んでいる。

 起工式は国土交通省近畿地方整備局や県、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町の共催。主催者を代表して国交省の村山一弥道路局長が「串本太地道路は災害、救急医療、観光などに寄与する極めて重要な道路。本日を皮切りに本格的に工事を進めていく。用地や工事にご協力いただき、早期完成を目指して引き続き事業を推進したい」と式辞。仁坂吉伸知事も「待ちに待った起工式を開催させていただくことができ、心から喜んでいる。インフラさえできればこの地域は素晴らしい観光資源があるし、さらにロケットもでき、いろんなものがいっぱいそろっている。インフラをてこにわれわれの町づくり、地域づくりを続けていきたい」とあいさつした。

 来賓の二階俊博衆院議員は祝辞で「道路さえ良くすれば発展することは間違いない。もう一度気合を掛けてこの地域を大いに発展させ、われわれの次の時代には、こんなに立派な和歌山県になりましたよと、子や孫から称賛を浴びるぐらいのことをやっていこうではないか」と呼び掛けた。

 世耕弘成参院議員も「すさみ串本道路は2025年春に完成という宣言をしていただいた。できるならば串本太地道路もしっかり完成させ、何とか(25年の大阪・関西)万博に間に合わせてもらうことによって、この地域にも大きな万博の益があることを強く期待している。国会議員としてしっかり予算を付け、一日も早く完成するよう汗をかきたい」、鶴保庸介参院議員も「たくさんの方々の努力があってこの日があることをかみ締めながら、今日を新たなスタートにしたい」と述べた。

 参列者はくわ入れ式や餅つきをした後、最後に堀順一郎那智勝浦町長の音頭で万歳を三唱した。