和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

20日ごろから見頃か クマノザクラ、タイプ標本木が開花

花を咲かせ始めたクマノザクラのタイプ標本木(15日、和歌山県古座川町池野山で)
花を咲かせ始めたクマノザクラのタイプ標本木(15日、和歌山県古座川町池野山で)
 各地で最高気温が25度を超えて「夏日」となる所もあった15日、和歌山県古座川町池野山ではクマノザクラのタイプ標本木が開花した。古座川町観光協会は、町内のクマノザクラは20日ごろから見頃になるとみている。

 クマノザクラは、森林総合研究所と県林業試験場が紀伊半島南部に新種の野生のサクラが分布していることを確認し、2018年、国内の野生のサクラとして約100年ぶりの新種と発表。開花時季はソメイヨシノやヤマザクラより早く、花が薄いピンク色といった特徴がある。タイプ標本木は研究論文に使う標本を採取した木で、同町ではクマノザクラを「町の花」に指定している。

 15日午後4時ごろ、タイプ標本木には、20輪ほど花が見られた。同日午前9時ごろに観光協会の担当者が確認した際には、つぼみが膨らんで咲き出しそうな状態だったという。

 観光協会によると、町内では開花が早い方だという同町峯にあるクマノザクラの名木が同日現在、陽に当たる部分で結構咲いており、全体では一分咲き。担当者は「暖かい日が続いて一気に開花が進んだ」と話している。