和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

貨物船でサーフィン! 和歌山県串本で「おもしろ写真展」

串本町潮岬にある望楼の芝で撮影された、スパイダーマンが貨物船でサーフィンをするように見える写真(瀧本祥司さん撮影)
串本町潮岬にある望楼の芝で撮影された、スパイダーマンが貨物船でサーフィンをするように見える写真(瀧本祥司さん撮影)
「おもしろ写真」の展示会を開催している瀧本祥司さん(下)と長谷洋さん(上)=和歌山県串本町サンゴ台で
「おもしろ写真」の展示会を開催している瀧本祥司さん(下)と長谷洋さん(上)=和歌山県串本町サンゴ台で
 沖を行く貨物船でサーフィンをしたり、橋杭岩や潮岬観光タワーに抱き付いたり―。タイミングや撮影位置を工夫してジャンプなどをすることでそんなふうに見える「トリック写真」の撮影に、和歌山県の瀧本祥司さん(62)=美浜町田井=と長谷洋さん(55)=串本町西向=が取り組んでいる。2人は串本町サンゴ台にある「ホテル&リゾーツ和歌山串本」で写真展を開催中。「体を張った合成なしの写真で笑っていただけたら」と話している。

 「ようこそ!おもしろ写真展へ」と題し、A4サイズなどの写真107点を展示。3月29日までの予定。

 写真愛好者の2人がコラボレーション(共同作業)を始めたのは4年ほど前。貨物船の上でサーフィンをしているように見えるトリック写真が撮れないかと思い付き、撮ってくれる人を探していた長谷さんが、同町田子出身の瀧本さんが現在の会長を務める「串本写真倶楽部」に参加したことがきっかけで2人の挑戦が始まった。

 最初は、串本町潮岬にある潮岬望楼の芝で沖を航行する貨物船を使ったサーフィンの写真に挑戦。長谷さんがタイミング良くジャンプすることを100回以上繰り返し、瀧本さんがその様子を撮影して納得の写真に仕上げたという。

 2人はその後も、同町くじの川にある橋杭岩や同町潮岬の潮岬観光タワーの前でジャンプをし、上に乗ったり、登ったりしているように見える写真などを撮影。さらに2年ほど前からは長谷さんがコスプレを始め、スパイダーマンや天狗(てんぐ)の面を着けた人気漫画「鬼滅の刃」のキャラクター「鱗滝左近次」での「おもしろ写真」にも取り組んでいる。

 また、瀧本さんは逆三角形に三つの点があると人間の顔に見えてしまうという「シミュラクラ現象」を生かし、家や岩などの被写体を各地で撮影。会場では、その成果を「秘国八十八顔巡り」として披露している。

 瀧本さんは「合成なしにどれだけ面白い写真が撮れるかに挑戦しており、再び撮影するのが難しい奇跡の一枚ばかり。理屈抜きに笑ってほしい」。長谷さんも「コスプレのキャラクターに目を向けてもらって、子どもらに写真の背景になっている県内の美しい自然などを知ってほしいという願いでやっている。これからも跳べる限り跳び続けたい」と意気込んでいる。