和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

橋杭岩撮り続け30余年 観光フォトコンでグランプリ

グランプリを受賞した石川昭春さんの「ようこそ串本へ」
グランプリを受賞した石川昭春さんの「ようこそ串本へ」
毎朝橋杭岩に通って撮影を続ける石川昭春さん(和歌山県串本町くじの川で)
毎朝橋杭岩に通って撮影を続ける石川昭春さん(和歌山県串本町くじの川で)
 和歌山県串本町は9月29日、町のPRや観光カレンダーなどに使う写真を募集した「町観光フォトコンテスト」の結果を発表した。11回目となった今回は過去最多という応募の中から、同町くじの川にある国の名勝・天然記念物「橋杭岩」を30年余り撮り続けている石川昭春さん(73)=串本町潮岬=の「ようこそ串本へ」をグランプリに選んだ。石川さんは「初のグランプリを、撮り続けてきた橋杭岩の写真で頂くことができ大変うれしい」と話している。


 本年度の観光フォトコンテストには県内外の56人から268点の応募があり、田嶋勝正町長と南紀串本観光協会の島野利之会長、写真家の照井壮平さん、町産業課の島野淳課長が審査し、グランプリなど17点を選んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式は開催しなかった。

 石川さんが橋杭岩の撮影を始めたのは40歳の頃。20代の時には5年ほど仕事で写真撮影に携わった経験はあったが、その後は離れ、子どもの成長を記録したいと再び始めた際、橋杭岩で撮影した秋の朝焼けに魅了されたことがきっかけだった。

 その後は強い雨の日以外は基本的に毎朝、橋杭岩に出掛けて撮影する日々を送っており、10年ほど前に退職してからはより撮影に注力。「岩そのものは変わらないが、雲の動きや朝焼けの具合、太陽の現れ方など表情は毎日違う」と魅力を語る。

 今回の作品は、昨年の4月3日、橋杭岩の背後から現れた日の出と無数に飛ぶハトの共演を撮影。「毎朝通っているからこそ撮れた写真だと思う。これからも動けなくなるまで通いたい。とりあえずの目標は80歳」と笑顔を見せた。

 入賞作品は5~19日、同町串本の町文化センターで展示する予定。

 グランプリ以外の入賞作品と撮影者は次の皆さん。

 【準グランプリ】「銀河を駈ける」(土山倫子)▽「波の足跡」(濵口惠美)

 【審査員賞】「月夜のキャンプ」(鈴木文代)▽「呼吸を合わして」(中西克仁)

 【熊野古道特別賞】「熊野古道・大辺路」(西村康生)▽「祈りの道」(小田実)

 【入選】「田原の海霧」(吉田正洋)▽「桜と『パンダくろしお号』」(矢本長一)▽「月光の舞台」(齋藤有弘)▽「満開」(鈴木里司)▽「黎明」(小阪享志)▽「冬の漁場」(山本正治)▽「夜明けと共に」(菅玲子)▽「春を駆ける」(木下滋)▽「ありがとう銀河」(野中誠一)▽「開業を祝うかのダブルレインボー」(井上澄男)