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2024年12月22日(日)

闘雞神社で田辺薪能 「土蜘蛛」など上演

豪快な舞が目を引く「土蜘蛛」(生原良幸さん提供)
豪快な舞が目を引く「土蜘蛛」(生原良幸さん提供)
 闘雞神社創建1600年を記念した「田辺薪能」が9月28日、和歌山県田辺市東陽の闘雞神社境内である。夕闇の中、野外舞台でかがり火をたいて観世流の能楽「土蜘蛛(つちぐも)」などを上演する。

 同神社には江戸時代に紀州侯や田辺領主安藤侯が能楽を催したり鑑賞したりしていた記録がある。能楽は田辺祭の起源の一つともいわれ、神社に縁の深い古典芸能で創建1600年を祝う。今回は「土蜘蛛」の曲中に登場する刀「膝丸(ひざまる)」が、後に熊野別当湛増や源義経の所持することになったという逸話から、この曲を演目に選んだ。

 午後6時開演(開場は午後5時半)、入場料は大人2千円、中高生千円、大人同伴の小学生は無料。雨天時は会場を紀南文化会館小ホールに変更する。定員は400人だが、闘雞神社境内で上演する場合のみ、当日券を先着約100席分販売する予定。主催は世界遺産闘雞神社創建千六百年記念事業推進協議会。紀伊民報など後援。

 能楽「土蜘蛛」は、源氏の武将頼光(らいこう)の家来たちが妖怪「土蜘蛛」と戦うストーリー。病床の頼光は僧に姿を変えた蜘蛛の妖怪「土蜘蛛」に襲われる。枕元の刀「膝丸」で切りつけると、僧は消えてしまう。その後、頼光の家来たちが血の跡をたどって土蜘蛛の退治に向かう。シテは上野雄三、ワキは江崎正左衛門が務める。

 入場券の販売場所は次の通り。田辺市新屋敷町の田辺観光協会(市観光振興課内)、紀南文化会館、田辺商工会議所、同市東陽の闘雞神社、同市秋津町の紀伊民報。薪能の問い合わせは田辺市観光振興課内協議会事務局(0739・26・9929)へ。