和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

熊野古道で大けが想定 中辺路で山岳救助訓練

ヘリコプターで負傷者をつり上げる場所を確保するため、木を伐採する消防団員(和歌山県田辺市中辺路町近露で)
ヘリコプターで負傷者をつり上げる場所を確保するため、木を伐採する消防団員(和歌山県田辺市中辺路町近露で)
 熊野古道を歩いていた観光客が山中で大けがをしたと想定した山岳救助訓練がこのほど、和歌山県田辺市中辺路町近露であった。地元の消防団員ら計43人が参加し、医療機関などとの連携体制を確認した。

 訓練には、市消防団中辺路支団救助隊、県防災航空隊、南和歌山医療センター、田辺消防署中辺路分署が参加。合同訓練は年1回のペースで実施しており、昨年は、山間部での林野火災を想定して訓練した。

 訓練では、119番通報を受けて現場に駆け付けた消防署員らが、負傷者を担架に収容。普段から林業に携わっている団員が、県防災ヘリコプターで負傷者をつり上げる場所を確保するため、チェーンソーで立木を伐採した。ヘリコプターから降りてきた医師が救命措置を行った後、負傷者をヘリで医療機関へ搬送した。

 中辺路支団の井本佳志支団長(61)は「熊野古道を歩いている観光客が道に迷ったり、けがをしたりすることはよくある。今後もこのような合同訓練を重ねていきたい」と話した。