和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月20日(金)

チャンプ本2冊を決定 ビブリオバトル西牟婁大会

お薦めの本について語る生徒(和歌山県上富田町朝来で)
お薦めの本について語る生徒(和歌山県上富田町朝来で)
 中高生による知的書評合戦「ビブリオバトル」の和歌山県西牟婁地方大会が28日、上富田町の上富田文化会館であった。一番読みたい本に投票する「チャンプ本」には、中学生の部で橋本侑奈さん(白浜中3年)が紹介した「かがみの孤城」(辻村深月著)、高校生の部は堀敬治君(熊野高2年)の「聖域」(コムドットやまと著)が選ばれた。

 西牟婁3町の教育委員会の主催で、中学生4人、高校生2人がお薦めの本のあらすじや魅力を5分で紹介。約30人の観客や発表者が、一番読みたくなった本に投票し、チャンプ本を決めた。

 「かがみの孤城」は鏡に吸い込まれた先にあった城を舞台に、学校で居場所をなくした主人公ら中学生7人が打ち解け合い、冒険する物語。橋本さんは「居場所というと家や学校を思い浮かべるが、最近は会員制交流サイト(SNS)も少なくない。鏡の向こうという世界に驚いてほしい」と紹介。「緊張したが、読んでみたいと思ってもらえた」と笑顔を見せた。

 「聖域」は動画投稿サイト「ユーチューブ」で人気を集めるグループのリーダーの考え方などが書かれている。堀君は野球部の主将を務めており「少しでも参考にできることがあるのではないか」と読み始めた。本には自信を持つことや、常に「できる」と発することが大切と書かれており、その言葉を自身に言い聞かせ、野球部のメンバーにも伝えているという。「ビブリオバトルの県大会ではもっと濃い内容で伝えたい」と意気込みを語った。

 チャンプ本に選ばれた2人のほか、中学生の部で得票が2番目に多かった岡本佳君(白浜中2年)が西牟婁地方代表として県大会に出場する。

 県大会は12月26日に和歌山市の県立図書館である。