和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

デジタル技術で働き方改革/和高専生 工事現場で体験/串本

組み立てた鉄筋の検査を効率化するために開発されたシステムを体験する和高専の生徒(右)=串本町和深で
組み立てた鉄筋の検査を効率化するために開発されたシステムを体験する和高専の生徒(右)=串本町和深で
 串本町和深の建設工事現場で24日、デジタル技術などを活用して働き方を改革する「インフラ分野のDX(デジタル・トランスフォーメーション)」という取り組みの体験会があり、建設技術などを学んでいる和歌山工業高等専門学校(御坊市)の生徒たちが参加した。紀南河川国道事務所(田辺市)と県建設業協会青年部会の共催。最新の取り組みを見てもらうことで建設業界のイメージアップを図り、担い手確保にもつなげたいと初めて開いた。

 体験会は建設が進む高速道路「すさみ串本道路」の和深川橋の工事現場であり、環境都市工学科の4年生38人が参加した。

 紀南河川国道事務所の本田明副所長(54)が「国土交通省ではデジタル技術を活用して働き方を改革していこうという取り組みをしており、特に建設業協会の青年部会で積極的に活用してもらっている。体験してもらい、少しでも今までとは違う建設業界のイメージを感じてもらえたら」とあいさつ。すさみ串本道路の概要のほか、人手不足といった建設業界の課題やコロナ禍などの社会経済情勢の変化を背景に、インフラ分野でもデータとデジタル技術を活用して業務を効率化するDXを進めていることを説明した。

 生徒たちは、これまでは複数人でやっていた組み立てた鉄筋を検査するための計測をカメラ付きの端末で自動的にできるシステムや、オフィスなどの遠隔地から現場の状況を確認できるシステム、安全教育のために事故を仮想現実(VR)で経験できる機器を体験。参加した新山大輝君(19)は「みんなで大きなものを造ることができる建設業に魅力を感じている。DXによってどんどん効率化され、働きやすくなるとうれしい」と話した。

 矢部昌俊青年部会長(50)は「今日の体験を将来の進路選択の参考にしてもらえたら」と話していた。