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2024年11月16日(土)

日本画や工芸品117点 白浜ゆかりの美術家遺作展開幕

白浜にゆかりのある4人の作品が並ぶ会場(17日、和歌山県白浜町で)
白浜にゆかりのある4人の作品が並ぶ会場(17日、和歌山県白浜町で)
 和歌山県の白浜にゆかりのある美術家4人の遺作展「白浜を愛した美術家たち」が17日、白浜町の白浜会館で始まった。日本画や工芸品など117点が並んでおり、訪れた人を魅了している。無料。21日まで。

 「紀の国わかやま文化祭2021」の地域文化発信事業の一環。同文化祭の町実行委員会委員で町美術家協会会長の小川昭造さんによると、今回展示されている作品のほとんどは町に寄付されたものや町が購入したもので、30年以上保管されていた。一堂に展示されるのは初めてだという。

 河内郷花(1908~88、日本画)は栃木県足利市出身。晩年を白浜で過ごした。代表作は「南紀」や「雪の高野」。アメリカのロス総合展、フランス美術展などに入選している。

 駒井虚峰(1912~2000、日本画)は堺市出身。1990年に白浜町美術家協会を設立し、初代会長を務めた。代表作は「韃靼の舞」や「熊野御幸」。

 初代・寒川栖豊(1899~1975、陶芸)は大阪府出身。1962年に天皇、皇后両陛下に抹茶茶わんを献上した。その後、同町堅田に登り窯を築いた。代表作に「三彩流大皿」「那智黒松竹梅花器」がある。

 原勝四郎(1886~1964、洋画・日本画)は田辺市出身。1931年に同町に転居した。代表作「瀞峡(観潮楼)」などがある。

 小川会長(79)は「この4人の作品が一堂に並ぶのは最初で最後になるだろう。作家が芸術に打ち込んだ素晴らしい作品が並んでいる。ぜひ見に来てほしい」と来場を呼び掛けている。

 開場時間は午前10時~午後5時。