和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

和歌山3区は二階氏圧勝 衆院選、1区岸本氏、2区石田氏

「当選確実」を受け、支援者らと万歳三唱をする二階俊博氏=10月31日午後8時15分ごろ、和歌山県御坊市島で
「当選確実」を受け、支援者らと万歳三唱をする二階俊博氏=10月31日午後8時15分ごろ、和歌山県御坊市島で
岸本周平氏
岸本周平氏
石田真敏氏
石田真敏氏
開票結果(小選挙区)
開票結果(小選挙区)
 第49回衆院選は10月31日に投票、即日開票された。10人が争った和歌山県内の3小選挙区は、いずれも前職が議席を確保。3区は自民の二階俊博氏(82)が他候補を圧倒し、13選を決めた。1区は国民の岸本周平氏(65)が5選、2区は自民の石田真敏氏(69)が8選を決めた。全国では自民・公明の与党が過半数を維持したものの、議席を減らした。一方、維新は議席を拡大。野党第1党の立憲民主も「共闘」の成果を上げた。

■【3区】

 過去最多4人が争ったが、二階氏が他候補を圧倒した。党幹事長として全国各地の応援に駆け回った前回から一転、地元密着の選挙戦を展開。高い知名度、強固な後援会組織を背景に、広い選挙区でくまなく支持を獲得した。

 演説では「政治の原点はふるさと」と強調。高速道路の延伸や国土強靱(きょうじん)化などの実績を示し、「まだまだ東京で働ける」と訴えた。また、来場者一人一人とできる限りあいさつを交わし、談笑するなど身近な存在であることをアピールした。

 各地で首長や議員が応援に立ち「大政治家が地元の小さな要望も吸い上げてくれる。二階氏しかできないことがある」と支援を呼び掛けるなど、地盤をしっかり固めた。

 一方、野党統一候補として臨んだ共産新顔の畑野良弘氏(61)は、街頭演説で「私への一票が政権交代につながる」と主張。立憲民主県連の幹部が応援演説に駆け付けるなどしたが、支持を伸ばしきれなかった。

 二階氏の政治姿勢を繰り返し批判し、メガソーラー反対などを訴えた新党くにもり新顔の本間奈々氏(52)も支持を拡大しきれなかった。

 無所属新顔の根来英樹氏(51)は街頭演説などで政策をアピールしたが浸透しきれなかった。

■【1区】

 岸本氏と自民前職の門博文氏(56)との対決は4回目だが、一騎打ちは初めて。共産が戦後初めて、1区に擁立せず、野党票の受け皿にもなった岸本氏が有利に進めた。

 岸本氏は選挙戦で「将来への不安の声に、安倍内閣も菅内閣も耳を貸そうとしなかった。一人一人が大切にされ、守られることをしっかりと議論することが大事」などと主張。これまでと変わらず、自転車で回るスタイルで熱意を訴えてきた。

 門氏は過去3回とも、岸本氏に及ばず、比例で復活当選しており、小選挙区での勝利を悲願とし、支持を求めてきた。和歌山市の大規模断水への対応の速さや、政権与党議員の利点などをアピールし、自民の菅義偉前首相や石破茂元党幹事長、田村憲久前厚生労働相、高市早苗党政調会長らが応援に入ったが、届かなかった。

■【2区】

 石田氏は地方創生推進や情報社会への対応、教育制度改革などを訴え、7期の経験や元総務相、元海南市長の実績などを背景に支持を固めた。いずれも新顔のN党、遠西愛美氏(37)、立憲民主の藤井幹雄氏(60)、維新の所順子氏(72)も懸命に支持を訴えたが及ばなかった。