和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

アウトドア観光でセミナー 紀南の関係者が旅行案

ワークショップで旅行プランについて話し合う参加者(26日、和歌山県串本町串本で)
ワークショップで旅行プランについて話し合う参加者(26日、和歌山県串本町串本で)
利用が好調だという特設サイト「わかやま遊び」
利用が好調だという特設サイト「わかやま遊び」
 和歌山県は26日、コロナ禍で「密」を避けられるとして人気が高まるアウトドアを観光振興につなげようと、地域ならではの観光商品の開発について話し合うワークショップセミナーを串本町串本の町文化センターで開いた。同町や古座川町、太地町、白浜町など紀南地方の観光関係者ら計20人が参加。アイデアを交換するなどしながら新たな旅行プランを考えた。

 県が本年度から始めた「和歌山アウトドア・フィールド魅力発信事業」で、インターネット上で体験プランを紹介し予約を受ける日本最大級のウェブサービスの運営会社「アクティビティジャパン」(東京都新宿区)と連携して実施。情報発信として、同社のサイト内に、県内の体験プランを集約するなどした特設サイト「わかやま遊び」(https://activityjapan.com/feature/wakayama-campaign/)を7月末から公開しているほか、体験型観光の磨き上げや地域資源の掘り起こしを目的としたセミナーも開いている。

 この日は、アクティビティジャパンの小川雄司取締役(42)が講師を務め、観光商品を考える際のポイントについて「一番売りにしたいことは何か、誰向けか、持続的な価格帯か。皆さまにしかできない商品を作り、引き付ける打ち出し方が重要」などとアドバイス。参加者は四つのグループに分かれ、それぞれが思い付く観光素材を書き出した後、組み合わせるなどして、各グループで1泊2日の旅行プランの企画に取り組んだ。

 最後に各グループが旅行プランを発表。サイクリングやジビエ料理、河原でのテントサウナ、ダイビング、ナイトサファリなどを組み合わせた「紀南の大自然まるかじりツアー」、古座川でのカヤックや川遊び、太地町での定置網体験、クジラやイルカに出合えるシーカヤックなどを盛り込んだ「親子で楽しめる!最上級の水遊び」といったアイデアが披露された。小川取締役は「すぐに実現できそうな企画もあった。これを機に商品化や魅力ある発信につなげていただきたい」と話していた。

■予約可能な特設サイト 「わかやま遊び」好評

 この日のセミナーでは、特設サイト「わかやま遊び」について、県観光振興課の西田治彦班長が「昨年度と比較すると体験プランの予約件数が1・5倍になって人気を集めている」と報告した。

 特設サイトでは、ダイビングやシーカヤック、熊野古道歩きといった県内の体験プランを海、川、山、空のテーマ別に紹介してオンライン予約もできるほか、農業体験・フルーツ狩りやキャンプ場、温泉施設もアピール。

 同課によると、同社のサイトを通じた県内の体験プランの予約件数は今年7月31日~10月26日が約500件で、前年同時期の1・5倍。「わかやま遊び」のアクセス数も開設から今月26日現在で約1万3千件に上っているという。

 同事業では今後、和歌山のアウトドアの魅力を紹介するリーフレットの制作や「わかやま遊び」の掲載事業者を対象に割引支援策の実施といった取り組みも計画しているという。