和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月26日(木)

メダカ人気上昇中 自宅で専門店開く愛好家も

庭に並ぶメダカの入った水槽(和歌山県上富田町朝来で)
庭に並ぶメダカの入った水槽(和歌山県上富田町朝来で)
 新型コロナウイルス感染拡大で在宅時間が増え、飼いやすいメダカの人気が高まっている。和歌山県紀南地方でも愛好家は多く、趣味が高じて販売したり、自宅で専門店を開いたりする事例も出てきた。


 上富田町朝来の榎本紀子さん(51)は、自宅庭でメダカ専門店「Araiansu(アライアンス)」をオープンした。

 和歌山市で会社員をしていたが、親の介護のため7月にUターン。6年ほど前から飼っていたメダカも連れてきた。「でも、近くに専門店が少なくて、新しい品種を購入したり、愛好家同士でネットワークをつくったりが難しい。それなら自分で店を開いてしまおう」と考えた。

 庭にずらりと並んだ水槽で「楊貴妃」「幹之」「夜桜ゴールド」「マリアージュロングフィン」など約50品種を販売。1匹500円からで、高いものでペア1万円。「価格は相場の3分の1程度」という。       

 特に広告や会員制交流サイト(SNS)による宣伝はしていなかったが、表に手書きの看板を出していたところ、口コミで広まり、リピーターも多いという。「専門家ではない」と断った上で、自身の経験を基に飼育の相談にも応じている。

 「飼育に手間がかからないのがメダカの魅力」と話すが、販売する側になるとそうもいかない。「朝5時から水を替えたり、餌をやったり。カエルやヤゴにも気を付けないといけない。介護に来たつもりが、メダカの世話に追われている」と苦笑する。

 榎本さんは「店名には絆の意味を込めた。メダカを通じ、いろんなつながりが生まれればうれしい。コロナが落ち着いたら、メダカすくいや餅まきのようなイベントも企画したい」と話している。

 店は不定休。問い合わせは榎本さん(090・2705・2320)へ。

 店を開くまではいかなくても、地元の商店や道の駅にメダカを出品する愛好家は多い。

 田辺市上秋津の会社員、桑田学さん(46)もそんな一人。1年前に知人から譲ってもらい「とにかくかわいい」と夢中に。水槽がどんどん増え、今では地元の商店に出品もするようになった。「小さな卵から育てていく過程に喜びがある」と話している。