和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月21日(土)

貴重な自然を後世に 古座川町にネイチャークラブ

キイジョウロウホトトギスを守ろうと、雑草を刈る「こざがわネイチャークラブ」のメンバー(1日、和歌山県古座川町相瀬で)
キイジョウロウホトトギスを守ろうと、雑草を刈る「こざがわネイチャークラブ」のメンバー(1日、和歌山県古座川町相瀬で)
 和歌山県古座川町内にある貴重な植物などを守りたいと、町民有志が「こざがわネイチャークラブ」を発足させた。最初の活動として1日、県のレッドデータブックで絶滅危惧2類に分類されているキイジョウロウホトトギスの群生地で草刈りを実施。今後も保全活動や勉強会の開催を計画しており、メンバーは「古座川の貴重な自然を後世に残していきたい」と意気込んでいる。


 ネイチャークラブは、町内の宿泊施設経営者らでつくる「古座川街道やどやの会」が前身。ウオーキングイベントでの案内といった活動をしてきたが、古座川町観光協会ができて観光振興に取り組んでいることもあり、自然保護の分野に集中しようと、やどやの会を解散。県自然公園指導員になっている人たちで、今年4月にネイチャークラブを発足させた。

 この日はクラブのメンバー7人が参加し、同町相瀬にある国の天然記念物「古座川の一枚岩」の前にある道の駅「一枚岩」そばなどで、群生しているキイジョウロウホトトギスの保全活動に取り組んだ。メンバーは貴重な植物を刈ってしまわないよう、鎌を使うなどして周囲に生えた雑草を丁寧に刈り取った。

 ネイチャークラブでは今後も、キイイトラッキョウ(絶滅危惧1B類)やキノクニスズカケ(同)、オオママコナ(絶滅危惧1A類)といった町内にある貴重な植物の保全に取り組んだり、勉強会を開いたりすることを計画しているという。

 谷幸子代表(72)=古座川町池野山=は「地元の方でも知らずに刈ってしまうケースもあるので、貴重な植物があることを知って大切にしてもらえるように取り組んでいきたい。取り組みに賛同してくれる方に加わってもらうなどしながら、古座川の自然を大切にする人たちの輪を広げていければうれしい」と話している。