和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月28日(木)

伝統文化継承へ体験イベント コロナで中止の田辺祭

イベントでの演奏に向け、練習に熱が入る福路町の有志(和歌山県田辺市福路町で)
イベントでの演奏に向け、練習に熱が入る福路町の有志(和歌山県田辺市福路町で)
25日のイベント開催に向け打ち合わせする実行委員会メンバー(和歌山県田辺市東陽で)
25日のイベント開催に向け打ち合わせする実行委員会メンバー(和歌山県田辺市東陽で)
 紀州三大祭りの一つ「田辺祭」が2年連続で中止になる中、有志が伝統文化を継承しようと、本祭り開催日の25日に闘雞神社(和歌山県田辺市東陽)で体験イベント「未来に繋(つな)ごう!田辺祭」を開く。おはやしの演奏会や和楽器体験、映像展示、講演会などがある。午後4時~8時。雨天中止。

 田辺祭は闘雞神社の例大祭で、毎年7月24、25日に営まれる。460回以上の歴史がある。笠鉾(かさほこ)や衣笠(きぬがさ)がおはやしとともに市街地を練るほか、舞姫が舞う「暁の祭典」や流鏑馬(やぶさめ)があり、田辺の夏の風物詩になっている。

 イベントでは、本町、江川、北新町、福路町の有志によるおはやし演奏のほか、三味線や太鼓の演奏体験がある。浦安の舞の披露、長澤好晃宮司と高田英雄総代会長による講演会もある。

 資料コーナーでは1934(昭和9)年と96(平成8)年の祭りの映像を公開するほか、地元の人が持つ懐かしい祭りの写真、闘雞神社が保有する絵巻物や文献の展示も予定している。イベントは写真共有アプリ「インスタグラム」でも配信する。

 実行委員会の榎本将明委員長は「老若男女が一つの目的に向かう祭りは、地域への愛着を育てる。次世代に伝えるため、途絶えさせられない。これまで祭りを知らなかった人にも魅力を伝える機会にしたい」と意気込んでいる。

 長澤宮司は「全国の神社でもできる範囲で何とか祭りをしようと試行錯誤している。これだけ祭りを好きでいてくれる人が大勢いるのはうれしい。ともに後世に伝えていきたい」と話している。

■夜に響くおはやし

 イベントに向け、各地区の有志もおはやしの練習を始めている。途絶えていた笛や太鼓の音が、夜のまちに響きだした。

 福路町では12日夜に太鼓と笛、三味線の担当が集まり、練習した。笠の内代表の橋本誠さん(57)は「例年なら6月から練習を始める。祭りがないのは寂しいが、こうして演奏できるのは楽しい」と話す。

 本来は笠鉾の下屋で演奏するが、イベントでは舞台に立つ。「いつもの裏方とは違う緊張感がある。祭りを知らない人にも、来年は見に行きたいと思ってもらえる演奏がしたい」と話した。

 練習を見に来ていた田辺第一小学校3年の田中悠生君は「祭りは大好き。稚児で参加したことがある。大きくなったら太鼓をやってみたい」を目を輝かせていた。

■写真募集

 実行委は祭りの一場面を捉えた写真を募集している。デジタルカメラで複写し、スライドで展示するため、貸し出す必要はない。

 また、イベント運営のため、1口千円で協賛金も募っている。

 問い合わせは実行委(tanabefest@gmail.com)へ。

■19~25日に特別展

 紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(田辺市湊)1階カフェスペースで19~25日、田辺祭の動画を上映する。期間中、店内のBGMも祭りのおはやしになる。