和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月23日(土)

コロナで今年も田辺祭中止 昨年同様、一部神事のみに

闘雞神社で今年の田辺祭について話し合う関係者(和歌山県田辺市東陽で)
闘雞神社で今年の田辺祭について話し合う関係者(和歌山県田辺市東陽で)
 紀州三大祭りの一つとして知られる和歌山県田辺市東陽、闘雞神社の例大祭「田辺祭」は、コロナ禍のため昨年に続いて今年も一部神事を除いて中止になった。

 460回以上の伝統がある田辺祭は毎年7月24、25日に営まれている。笠鉾や衣笠(きぬがさ)がお囃子(はやし)とともに市街地を練るほか、舞姫が舞う「暁の祭典」や流鏑馬(やぶさめ)などがあり、田辺の夏の風物詩になっている。昨年もコロナ禍のため、戦時中だった1945(昭和20)年以来、75年ぶりに中止した。

 田辺祭を主催する田辺祭保存会(高田英雄会長)は15日、闘雞神社で今年の祭りについて協議。14ある氏子町の総代や笠鉾協賛会のメンバー、若手有志の会、神職ら約30人が参加した。

 協議では、疫病を払うという祭り本来の趣旨や、伝統文化の伝承、後継者の育成などを目的に万全のコロナ対策を講じた上で、祭事の一部を執り行えないかと話し合ったが、コロナ禍が昨年よりも悪化している状況を考えると、人が集まる祭りを営むのは難しいとの意見が相次いだ。今年も昨年と同様、闘雞神社での神事のみとなった。

 若手有志の会は、市街地を練る行列の先頭で、道を清める役割を担う衣笠「住矢(すみや)さん」だけでも巡行できないかと提案。各町内会代表者らは、祭りの将来を担う若者たちの前向きな姿勢に感謝しつつも、感染者が出た際の責任問題などを考えると厳しいと理解を求めた。

 高田会長(83)は「コロナ対策をしながらできる祭事はないかと考えていたが、コロナの状況が悪化してきたため、今年も中止になった。来年こそは楽しい祭りができることを祈る」と話した。