和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

認証2千件超える コロナ対策に取り組む施設、和歌山県

ボウリング場で新型コロナ対策として設置している返却専用のボールラック(和歌山県田辺市稲成町で)
ボウリング場で新型コロナ対策として設置している返却専用のボールラック(和歌山県田辺市稲成町で)
 新型コロナウイルスの感染予防に取り組む飲食店や娯楽施設などを和歌山県が認証する制度で、認証が2千件を超えた。県がホームページ(HP)で公表している。7日から外出自粛要請も解除。県は「コロナ対策に気を付けながら、認証施設を利用してほしい」と話している。


 認証制度は事業者の感染予防対策を進めると同時に、県民が安心して施設を利用できる環境を整備しようと4月21日に創設した。5月26日現在、2224件を認証している。

 認証を受けたボウリング場「ジストボウル田辺」(田辺市稲成町)は、昨年の年間予約件数が前年の10%程度まで落ち込んだ。現在も団体予約が入りにくい状況が続いている。

 ジストボウルでは、一組当たり2レーンの利用とすることで、他のグループと間隔を確保している。そのため、最大10組までしか同時にプレーできない。1レーン当たりの利用も通常6人のところ、3人までに制限している。

 ボールの返却専用ラックを新たに設け、使用後の消毒も徹底。施設の関係者は「まだまだ厳しいが、少しでも安心して楽しんでもらえるよう努力するしかない」と話している。

■誘客には懐疑的な声も

 認証施設の約7割が飲食店だが、認証が誘客につながるかどうかについては懐疑的な声が多い。

 田辺市の飲食街「味光路」は人通りが激減し、休業している店も少なくない。営業している店の店主も「要請は出ていないけれど、実質的に時短営業。誰も来ないから早く閉めるしかない」とこぼす。

 認証を受けた味光路にある居酒屋の店主は「換気や消毒などの認証条件を満たすのは、事業者として当然。ただ、飲食店が悪いかのような風潮の中で、認証に誘客効果はない。飲食店はこのままでは立ちゆかない。行政は直接支援も考えてほしい」と求めた。