和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

特急「銀河」受け入れへ協議会 紀南7市町村と県

JR西日本の観光列車「WEST EXPRESS 銀河」=JR西日本提供
JR西日本の観光列車「WEST EXPRESS 銀河」=JR西日本提供
 今年夏から秋にかけて和歌山県紀南地方を運行することが決まったJR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」を地域振興につなげようと、新宮市など紀南7市町村と県が協議会をつくった。各首長らが参加した設立総会・第1回総会が25日に新宮市役所であり、コロナ禍で落ち込んだ地域経済の活性化に期待する声が聞かれた。

 銀河は6両編成で、途中の停車駅で地元の人から特産品を購入したり、イベントで歓迎を受けたりする観光列車。昨年9月11日にデビューし、これまでに京都・大阪から山陰・山陽方面を運行しており、申し込みが毎回抽選になるほど人気。県と紀南7市町村が昨年10月、紀南でも運行されるようJR西日本和歌山支社に要望していた。

 今年の夏から秋にかけて運行する区間は京都―新宮で、特急「くろしお」と同じルート。京都発は夜行、新宮発は昼行で運行する計画。期間や時刻、運行本数、停車駅などは決まっていないが、現在は週2往復ほど運行している。

 受け入れ協議会は、新宮市のほか、すさみ、串本、古座川、那智勝浦、太地、北山の各町村と県で構成。情報の共有や、おもてなしを通じて継続的な銀河の運行を確保することで地域の振興、経済の活性化などにつなげることを目的として設立した。

 この日の会議では、会長に田岡実千年新宮市長、副会長に田嶋勝正串本町長を選んだ。

 また、新年度の事業計画として、乗客用に各地域の店舗のお得なクーポンなどが付いたパスポートを配布して周遊を促進▽乗客や地域住民を対象にしたスタンプラリーを実施▽乗客に紀南地域限定のノベルティ(記念品)を配布▽各駅での盛大なおもてなし▽駅・車内での物産販売―などに取り組むことを決めた。

 田岡市長は「7月から当地方へ運行が始まるが、コロナ禍で落ち込む宿泊、飲食、お土産など地元事業者にも良い影響を与えるものだと大いに期待している。おもてなしを通して銀河のお客さまに存分に楽しんでいただき、再訪につながるようにお願いしたい」などと呼び掛けた。