和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

すさみ町長「選定へ努力」 スーパーシティ構想

 すさみ町の岩田勉町長は18日の町議会で、県と取り組む「スーパーシティ(SC)構想」について「最先端の技術で課題を解決でき、住みやすい地域になることが期待される。(政府から)選定されるよう努めていく」と述べた。

 一般質問に立った議員4人のうち、浦愛一郎、吉田靖広、竹本直美の3議員がSC構想について尋ねた。

 SCは、先端技術と規制緩和をまちづくりにつなげる国家戦略特区の一つ。町と県は、公募して選んだ企業36社と事業計画案を練っている。岩田町長は、現時点で「端末を使った健康状態の可視化」「ドローンによる物流」「顔認証システムを用いる高齢者や子どもの見守り」などを検討していることを明らかにした。

 計画案がまとまれば、町と県は政府に応募する。政府は4月16日に公募を締め切り、以降に閣議でSC区域を指定する。全国で5地域程度を選ぶ。当初の締め切りは3月26日としていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、後ろにずらした。

 町議会では、SC構想の個人情報保護の視点についても論戦があった。岩田町長は「懸念は十分に承知している」とした上で「本人の同意なしに個人の情報が勝手に利用されることはない」と答えた。「法律の範囲内であっても、町民にとって不都合なことは町長として『それは駄目だ』と言う」とも語った。

 また、SC区域に選ばれた場合は担当相や事業者らとともに住民の代表も入る「区域会議」で計画を策定することになっていると説明し、住民の意向は反映できるとの考えを示した。