和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

県産品の海外販路拡大へ 和歌山とスーパー運営企業が協定

連携協定を結んだと発表する県の角谷博史農林水産部長(右)とパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの森屋秀樹常務執行役員=和歌山県庁で
連携協定を結んだと発表する県の角谷博史農林水産部長(右)とパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの森屋秀樹常務執行役員=和歌山県庁で
 海外でスーパーマーケットを展開する「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」(PPIH、本社=東京都目黒区)と和歌山県は17日、県産品の海外販路拡大に向けた連携協定を結んだ。2030年にPPIHに海外店舗での県産品輸出額100億円達成を目指す。

 同社は、国内ではディスカウントストア「ドン・キホーテ」や総合スーパー「アピタ」など583店舗、海外では米国やシンガポールを中心にスーパーなど約60店舗を展開している。20年6月期決算の売上高は1兆6800億円。これを30年には3兆円にする計画を立てている。うち1兆円は海外店舗で、うち3千億円は国内からの輸出品、そのうち100億円は県産輸出品での売り上げを目指す。

 一方、県によると、県産農水産物と加工食品の輸出額は19年度で20億円。3年前の2倍に増えたが、さらに伸ばしていく必要があるとし、同社に呼び掛け、協定が実現した。

 同社と県は、協定締結後、県庁で記者会見を開いた。

 PPIHの森屋秀樹常務執行役員は「県産のミカンや柿、梅、水産物に潜在能力を感じている。海外店舗での県産品販路拡大を通じて、地域の活性化に貢献できればと考えている」。県の角谷博史農林水産部長は「国内では人口減少によって食の需要が縮小傾向にある一方、海外では拡大傾向。輸出にどんどん取り組むことが必要だが、官公庁だけで伸ばしていくには限界がある。輸出のプロと組むことで、事業者の所得向上につなげたい」と話した。

 県は18日から24日までの予定で、米国ロサンゼルスで「和歌山フェア」を開催。協定の一環で、PPIHのグループ企業が展開するスーパー8店舗で、梅干しやみかんジュース、魚介類など県内15事業者の約30種類の商品を販売している。

 PPIHは昨秋以降、愛媛、熊本、鹿児島県とも同様の協定を結んでおり、今回が4県目となる。