和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

ヤギのチーズいかが イタリア人のダルさん、田辺で手作り

ヤギの乳で作ったチーズと、ダル・ジョバンニさん(和歌山県田辺市上野で)
ヤギの乳で作ったチーズと、ダル・ジョバンニさん(和歌山県田辺市上野で)
ダルさんは1日2回、ヤギの乳を搾る
ダルさんは1日2回、ヤギの乳を搾る
 和歌山県田辺市上野でワイン醸造用のブドウ栽培とゲストハウスを営むイタリア人、ダル・ジョバンニさん(42)は、飼っているヤギのミルクで、念願だったチーズ作りを始めた。今のところチーズは3種類で生産量も限られているが、将来的には匹数を増やし、ヤギのチーズを地域の特産品にしたいと、夢を膨らませている。

 「イタリアから日本に来て、ワインとチーズが恋しかった」というダルさん。「熊野古道ワイナリープロジェクト」と銘打ち、上富田町市ノ瀬出身の妻とともに、2017年から約1年かけて上野の耕作放棄地だった約6千平方メートルの梅畑を開墾し、ブドウ畑を育ててきた。

 ヤギはペットや畑の除草のために飼っている。昨年11月に、初めて2匹のヤギがそれぞれ1匹ずつ赤ちゃんを出産した。3月にも1匹生まれ、現在、赤ちゃんも含めて8匹のヤギがいる。

 ミルクは赤ちゃんを育てるためのもの。あくまでお裾分けしてもらう、という気持ちで臨んでおり、赤ちゃんが生まれて2カ月たち草も食べられるようになった今年1月から徐々に、ミルクを搾ってチーズ作りを始めた。作り方は北海道に住む友人であるイタリア人のチーズ職人に教わった。

 毎日、朝8時ごろと夕方5時ごろの2回搾乳する。2匹から取れる乳は1日で1リットルほどで、2リットルたまったらチーズ作りに取りかかる。

 チーズ作りは一日がかりで、その後、フレッシュチーズなら1週間ほど、カチョッタチーズは2~3週間ほど、ブルーチーズは2~3カ月ほど熟成させる。

 ヤギの乳1リットルからできるチーズの量は約100グラム。適度な酸味があるのが特徴だ。

 ダルさん夫妻は敷地内の古民家を改修し、カフェレストランを兼ねたゲストハウスも営んでいる。イタリア料理のシェフでもあるダルさんは、ヤギのチーズを使った料理を、宿泊客の夕食や、カフェレストランの週末のランチコースで提供している。

 近く、一般へのヤギのチーズとチーズケーキの販売も始める予定。

 問い合わせは、ダルさん(080・8511・6450)へ。

■ヤギ増やしたい ネットで資金集め

 ダルさんは12日、ヤギの匹数を増やしてチーズを安定供給できるようにするため、インターネットで資金を集めるクラウドファンディング(CF)を始めた。

 目標額は100万円で、集まった資金は、新しいヤギ小屋の建設とヤギの購入費に充てる。小屋には餌の保管場所や搾乳場所なども設ける。

 寄付額に応じて、ヤギの命名権やチーズ、自家栽培の野菜や南高梅などの返礼品を用意している。

 大手CFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で受け付けている。アドレスはhttps://camp-fire.jp/projects/view/389695